第25話
「今年のサッカー部が熱いんだよ!」
「そっそうだね...はは」
口を開けばサッカーの話しか話さない
邦隆が
いきなりサッカー部の話をふっかけてきた
サッカーのルールなどは一応組織で習ったことがあるから知っているが
選手の話や
高校サッカーの話をされても
わからないし...面白くはない
バスには相変わらず人が居なく
好きな席に座れる
一緒に座るのは気まずいし
あまり好きじゃないため
先頭ら辺にある少し高い1人席に座った
「おっおい...一緒に座ろーぜ」
「いっいやぁー...高いところが好きでね」
「ガキか?」
「あぁ...まっ...まだガキだよ」
「言い方が悪かった...小学生か?」
「別に...いいでしょ」
邦隆の困っている顔を見て
朝ごはんを食べていない僕は満足した
あと3駅で降りるところまで来た
好きあらば
サッカー部への勧誘と放課後の事を聞いてくる
僕はテンプレートなどを駆使して軽く会話をいなした
昨日は何食べた?とか
聞かれたが
サプリメントしか食べていなかった為
パセリの天ぷらと嘘を言ったり
急にどこかへ行ったが何をした?
なども質問された
まぁ..親戚が倒れたって嘘ついて答えた
このテンプレートを使いすぎて
親戚が何十回も倒れている事になるが
まぁ...親戚なんていないが
「隼士も色々大変だな...」
「きゅ..急に顔色悪く...するなぁ」
「あぁ..なんでもないさ...顔色が悪いのは朝に納豆杏仁豆腐が出たからだよ」
「えっ...何その..味覚破壊兵器..」
「はは..美味しくも無かったし...腹が少しだけ痛いんだ」
「...薬いるか?」
「いや...犯罪だぞ..」
「バレなきゃ大丈夫」
「英断を不燃ゴミにでも捨てたのか?」
「ふっ...元からあるさ...英断は」
納豆杏仁豆腐という謎兵器の事を考えた
どういうものなのか
美味しいのか?
醤油をかけたらどうなるか
果たしてそいつは食べ物か?
いや食べ物か...
量は?形は?エネルギーは?
自分なりの納豆杏仁豆腐を想像した
「まぁ...犯罪はやめろよ」
「あっあぁ...そうだな」
薬を渡すだけで犯罪なのかよ...
辺な世の中だな
頭痛剤とかはダメなのか...
はぁ...法律って難しいな
組織から法律を覚えろとかの命令はこないし
別に...大丈夫かな..と思ったが..
大丈夫じゃないかもな
確か...校則を破ったら即退学だったよな
校則じゃなくて法律を破っても
即退学かもしれない
退学をしたら...
命がなくなるかもな..
組織の一大プロジェクトにも入っているから..
立ち直れないほどの失敗を犯したら..
過去の処分から見ると
存在を消されるな...軽く
「そろそろ降りるぞ」
「あっ...そうだな」
右手を使って高い位置にある椅子から
瞬時に地面に降りた
今気づいたが
健吾楼(先生)によってできた右肩の痛みも治まった...
ざまぁねー健吾楼ぉ深傷も負わせねーとは!
「隼士...お前...クマ酷いなぁ...上に座って居たから見えなかったぞ」
まずい...ゲームしてたって言って誤魔化すか
「ゲームを..遊んでね」
「なんのゲームだ?隼士がハマりそうなゲームが知りテェーナー」
「げっ...センスを測っているのか..」
最近人気なゲームを答えたって..
普通だと思われて失望されてしまうかもしれない...マイナーゲームでも答えるか
「ピクセルコンブット2とかな」
「うぉぉおお!?いいセンスだ!ゾンビモードが一番いいよなぁ」
「そっそうだね」
バスから降りて
邦隆からピクセルコンブット2の質問を永遠と質問された..
ゲームは一度もプレイしていないニワカな僕は
有名人の配信で知っている知識でなんとか解答しようとしたが...
まぁ...もちろん失敗だ
「お前..本当にゲームをプレイしているのか?」
「いやー...ねっ..はは..楽しいよ...ね」
「隼士..お前..ランクマのくらいがイーペックスと混ざってるんだよな...」
「あっ...朝ボケだよ..はは」
「怪しいなぁ」
この空気...どうすれば抜け出せるか...
「くっ邦隆が好きなゲームって..」
「あっ俺か?俺は...うーん...あれかな...BHEかな」
「あー...第二次世界大戦が主軸のFPSかぁ...」
「知ってんのか?」
「まぁ...実況者が遊んでるところを...見てる感じだね」
「あの世界観いいよな!」
「そっそうだね...」
「今度おれんちに遊びのこいよ!」
「行けたら行くよ」
なんとか話題を変えることが出来たな
ピクセルコンブット2がニワカだとバレなくてセーフ
しばらく歩いて校門のところに着いた
「おい邦隆!革靴はどうした!」
「あっやべ...すいません!」
邦隆が革靴ではなくサッカーのスパイクを履いて登校しているところを先生に見られて捕まったしまった
「あっ...邦隆!お先にー」
「おっちょ隼士!」
「こっちの話を聞け邦隆!」
先生が邦隆を叱っている間に
僕は猛スピードで教室へと向かった
もちろん近道を通って
桜の花を踏みながら
今日もなんて事も無く
学園ミッションを成功させてやる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます