第18話



「はぁ...はぁ...」

「頑張れー」


スクワット500回の簡単なウォーミングアップでまず夜桜(探偵)に体力をつけ

走るスピードを落とさず5kmの短距離走を行う

これをあと4セット行えば

本番だ....


「き...はぁ...きつぃ...はぁ」

「まだまだだぁ....早くやれば時間を短縮できるぞー」


夜桜(探偵)は普段どんなトレーニングをしてるんだ?

犯人を捕まえたりするから...かなり鍛えないといけないし...

ひょとして...山に1ヶ月籠ってサバイバル修行したり...

東京ドームの地下で銭湯を繰り広げてたり

熊と素手でタイマンしたり...

1日30時間の正拳突きをしてたり....


物凄い特訓を....

拳銃を持つだけで捕まるこの国で

使用許可が降りているから...物凄い腕を持ってたり...

いや...それは無いか...


まぁ...まだ高一で物凄い知識量を持っている事は事実だし...

どのくらいの知識量なんだ?

博士号レベル....?流石に無いか

物理の計算も早いし...

推理力も化け物だな

よく僕がやろうとしている事に気づくよな...

本当おかしいだろ...


日本の警察とかより...よっぽど怖いわ...

何処ぞの...公安より...ね

日本の牢獄とか...意外と脆いと組織から言われたが...本当なのか?...


イギリスでCIAに捕まった時なんか...カプセルの中に入れられて

岩盤下に埋められたし....

実質死刑的な事されたけど..

まぁ命懸けでなんとか抜け出したし...

流石にあれよりかは...マシだよな..


邦隆も邦隆で凄いよな...

運動神経に関しては夜桜(探偵)より良いし...

オリンピック選手顔負けのスピードと精神力もあるし...コミュ力も凄いし...


邦隆が敵にまわると...ものすごく厄介かもしれないな....いや頭が悪いから...操れたり出来るか..

無駄にプライド高い政府や権力者も操れやすく良いよな

自分の手を汚さず始末できるし

誘導するだけで自滅するようなもんだからな


まぁ...バレたりしたら終わりだけどな...

捕まることより...組織の情報とかが取られる方がよっぽど...まずいからな....

漏れたり取られたりしたら....まぁ

首から上が無くなるだろうな...

どんな地位でも....


「はぁ....あっ...あと....はぁ..10回...」

「ガッ頑張れー」


こう言う時って“頑張れー“以外に何を掛ければ良いんだ?


”あともう少しー“とか”最後までやり切れー“とか掛ければ良いのか...?

言葉って難しいもんだなぁ


「はぁ...はぁ..はぁはぁ...はぁ..」

「残り8分しか無いから休む時間は無いぞー」

「はぁ..はぁ...鬼...ですか...」

「5km走るぞー...走り終わったら...5分くらい..やっ休んで良いから...まだウォーミングアップしかしてないのに...」

「はぁ..ウォーミングアップ...?はぁ...はぁ...面白い冗談ね...休み終わったら?」

「こっ...これを4回繰り返す」

「はぁ...人間が...する事じゃ無いよ..はぁ」

「確かに...簡単すぎたか..」

「違う...はぁ...そっちじゃ無い..はぁはぁ...隼士...って...何者...?」


うげっこの質問はどうすれば...

とりあえず適当に...


「えっ...あっ..何者って?」

「まぁ良いわ....」

「あっあと7分だからね」

「ーーーッッ...やると言ったからにはやり切らないとね...」

「ぼっ...僕も...いっ一緒に走るから..」

「コーチとして頼んだよ...」


呼吸を整えた夜桜(探偵)は猛ダッシュで公園から飛び出た


僕も夜桜(探偵)に着いていく様に走った


別に厳しい特訓内容では無いのになぁ...

これが組織では普通なんだよなぁ...

何者って聞かれた時は

焦ったのと同時に安心したなぁ

まだ正体がユーゲントってことがバレてない無いって事だから...


「スクワットよりかは楽だけど...これもこれできつい...」

「いっいやぁ...早く走りたく...なりたければ...

ほらっ実戦が一番ってよく言うじゃん..」

「隼士は脳筋すぎるのよ....」

「まぁまぁ喋れるくらい余裕って事だから..」

「あと何分くらい残ってるの?」

「あっえっ...4分くらいかな...1分遅れたら100回...スクワットする回数が増えるルールだから...」

「えっそれ...早く言ってよ...」


そう言って夜桜(探偵)は走るスピードを上げた

さっきよりも明らかに速スピードで走っていった


僕も夜桜(探偵)に合わせるよに走るスピードを上げて着いていった


少しだけ...夜桜(探偵)と話すのに慣れてきた

人間の慣れが一番怖いし...1番の弱点でもあるからな....


「はぁ..はぁ...そろそろ..限界..はぁ」

「あと1kmだぁ...頑張れー」

「そうね...はぁはぁ..最後まで..はぁ...やりきる...」


そう言って夜桜(探偵)は今までよりも遥かに早いスピードで走り始めた...


人間の成長も怖いな..


1分くらい早く公園に戻ることが出来た


「はぁ...はぁ...少し...はぁはぁ...だけ足が...早く...なった気がします..」

「すっ...少しじゃ無いよ..ものすごく早くなっているよ...」

「はぁ..まだ...全然...だめです...もっと..はぁはぁ...頑張ります」

「まっまぁ...5分くらい休憩しようよ」

「はぁ...人間って...追い込めば..はぁ追い込むほど..はぁはぁ....成長するって言われてるし...はぁ..」


倒れ込んでいる夜桜(探偵)を見る限り...説得力が無いな...顔がそう言っている...

言っている事と体が伝えていることが全く違うんだが....まぁ..本人の意見を尊重するか..


「あっ...わかったよ...スクワット500回...」

「はぁ...はぁ」


息が乱れている夜桜(探偵)が

ゆらゆらと立ち上がった


うーん身体に悪いのはわかるが...

敵だし...いやぁ...うーん

此処はあまり....口出さない方が良いな..,うん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る