事務員さんは魔眼持ち

生虎

第1話

俺、【百目鬼どうめき 亮太りょうた】は特殊清掃業とくしゅせいそうぎょうを営む会社で事務員として雇われている。

会社の名前は【聖岳清掃きよたけせいそう】と言う。

元々は賃貸物件の退去後の清掃を主に行う会社であった。

今もうちの社にそういった部門は存在するので、今でもこの会社のメイン業務はそういった清掃業務である。

しかし、俺の所属している部署は特殊清掃課と言う所謂いわゆるそう言った特殊案件を取り扱う部署である。

孤独死や自殺、殺人事件の現場等々の清掃を行う事を特殊清掃言い、それを必要とする案件が増えているので特殊清掃課として部署が出来た。

特に昨今は孤独死・自殺は社会問題化している訳だから多いのは当たり前である。

多くなければ問題にはならない。

言うまでも無いだろうが、そんな現場にてルームクリーニングを行う業務を担当するのがうちの課である。

俺はその部署で事務員をメインに行っている。

メインと言うと他にも仕事があるのかと思うだろ?実はあるんだ。

気になるよな?・・・気になるよな?・・・気になると言え!!

まぁいい、俺は自分の特技と言うか身体的な優位性と呼べるかは判らんがそれを利用してある別の業務にも携わっている。

最近はそちらの方がメインではないの?と言いたくなるが、一応この会社での立場は事務員である。

ズバリ言えば俺は魔眼持ちなのである。

どんな魔眼かって?実は普通には視えないものを見通す目を持っている。

普通でないものって何だっよって?まぁ簡単に言ってしまえば霊とかその類の物や普通の一般人には視えない色々が視通せるのだ。

それって霊感じゃないのかって?俺の悪友たちが言うにはこの目は全能の魔眼若しくはプロビデンスの目と言うらしい。

自分の事であるが詳しくは知らん。

ただ視えるというのは俺が保証できる。

だってお前の後ろに・・・・・・馬鹿が見~る~・・・冗談だ・・・笑えよ

話を戻そう。

霊的なもの含め普通には見えないものを視通す事が出来る目を持っている訳だ。

じゃあそれを使って何をしているかって?1つは特殊清掃後の部屋の確認。

確認するのは次の住人にとって邪魔な存在や物が無いかの確認作業だ。

他には?か、他には瑕疵物件かしぶっけんて聞いたことあるだろ。

そうだ、欠陥ある物件だがその中でも幽霊物件とか事故物件と呼ばれるものがある。

幽霊物件とはそこで霊障等の心霊的なのを含めそう思える何かが起こる部屋だ。

事故物件とは特殊清掃を行う必要があった部屋だ。

前者は物件のオーナ様や不動産業者より依頼があれば確認する。

後者は清掃後の確認でな、うちの社では俺が行けばほぼ問題ない。

問題は他社の物件だ。

他社の場合は他社から依頼されれば確認するが、無い場合は物件のオーナ様や不動産業者より依頼があることもある。

まぁ全ては特殊清掃とは別のサービスとして料金は発生する。

その確認作業をするのが俺の仕事だ。

確認作業で終わりかって?そう、終わりだ。

それを解決するのはまた別の人間が行う。

俺の業務はあくまでも確認だけだ。


次はその確認後の問題の解決や撤去する人物の事についてでも話そう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る