幼馴染に振られた俺が、国民的アイドルの義妹に手料理を振る舞った結果
軽井広💞クールな女神様 漫画2️⃣8/9
第一膳 四日市とんてき
第1話 幼馴染に振られた!!
雲ひとつない青空の下。爽やかな風の吹く学校の屋上。
だが、俺の心はどんよりと曇っていた。
「ごめん、コウ君」
目の前の幼馴染は短く決定的な言葉を告げた。
つまり、俺――小牧公一は、ずっと好きだった相手に告白して振られたのだ。
「な、なんで……?」
「だって、わたし……コウ君のこと、弟みたいにしか思えないから」
俺の幼馴染、
葉月はめちゃくちゃ可愛い。黒いロングヘアにすらりとした長身。顔立ちも学校一整っていて、セーラーの制服もばっちり似合っている。
成績も学年一桁で、生徒会役員もやっている。清楚完璧な美少女だ。
でも、葉月の一番の魅力は外見やスペックじゃない。
俺のことを誰よりも理解してくれていることだ。
葉月と俺は家が隣り合わせで、幼稚園の頃から家族ぐるみの付き合いがあった。
子供のころから葉月はいつも俺にベッタリで、「大人になったら、コウ君のお嫁さんになる!」なんて言ってくれて。
小学生のときも、「女の子と一緒にいるよりコウ君と一緒にいるほうが楽しいし」なんて言って、俺のことを一番大事にしてくれた。
俺は小柄で運動もできないから周りから馬鹿にされがちで、そんな俺を葉月はいつも「わたしの大事なコウ君をいじめちゃダメ!」と言ってかばってくれた。
俺が葉月に頼ってばかりじゃない。小学校高学年になるぐらいには、お互い親が忙しいから、俺が葉月に夜ご飯を作って上げるようになった。俺は家事万能で、特に料理は得意だったし。
俺は葉月のことが好きで、葉月もそうだと信じて疑わなかった。
なにせ葉月は「一緒の学校に行こう!」なんて言って、俺と一緒に同じ学校を中学受験したのだ。
俺と葉月の仲良しな関係は中学生になっても変わらなくて、一緒に帰りに映画を見たり、喫茶店でおしゃべりをしたり、休日にはショッピングセンターに出かけたり……。
葉月はアイドルグループ『エトワール・サンドリヨン』の大ファンなので、そのライブにも一緒に行ったっけ。美少女アイドルたちにも目を奪われたけれど、嬉しそうな葉月がとても可愛かった。
俺たちは友人以上恋人未満の関係で、あとは俺が勇気を出すだけ。
そう思って、高校一年生の夏に俺は葉月に告白した。葉月が絶対に受け入れてくれると信じて疑わずに。
そして、今、振られたというわけで。
葉月は頬に指を当てる。
「コウ君、女の子みたいだもん。背もちっちゃいし、運動もできないし、顔立ちは整っているけどイケメンというより可愛いし……」
「そ、そんな……!」
「弟、というより妹、みたいな? 勉強も文系科目は得意だけど理系は苦手。特技は掃除に裁縫、それに料理……でしょ?」
「そ、そうだけどさ! それの何が悪いの? 葉月だって褒めてくれてたじゃん」
「悪いとは言ってないよ。それはコウ君の長所だと思う。でもね、わたしは男らしいかっこいい人と付き合いたいの」
ばっさりと葉月に言われて、俺は「ガーン」とショックを受けたまま固まった。
こうして俺の初恋は終わった。
<あとがき>
面白そう、今後に期待、更新がんばってと思っていただけたら
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