Catastrophe
やみうさぎ
Catastrophe
Episode.0『長い悪夢と目覚め』
【Catastrophe】
2032年、世界に異界のゲートが開かれたことによりゲートから魔物が流れ込み世界は壊滅状態。
都市の島はA、B、C、D、E区域に大きく分かれた。
しかしA、B、C区域は壊滅、DとE区域のみが住める地域となっていた。
都市の島外は森や山に加え、村や都市も多数存在する。
今現在外との通信はなく、存在しているのかも不明。
2033年、人間から災いの子が生まれ、魔法のような能力が生まれる。
災いの子は猫、犬、うさぎなどの獣耳が生えた新たなる種族でもある。
しかし、忌み子として扱われることが多い。
災いの子の中には魔物だけではなく人間を殺す者も存在する。
2077年、D区域にいるリオは戦闘教育学校に通っていた。
リオは人との関りをほとんど絶ち、長らくの間一人だった。
そんなある日、戦闘教育学校に行くと災いの子、ラナに出会い大きく変わっていく。
リオと災いの子のラナは平和なひと時と共に残酷な運命がやってくる。
崩壊と共に――。
『Episode00.長い悪夢と目覚め』
真っ暗な暗闇の中に一人の垂れうさぎ耳と黒髪ロングヘアーの少女の後ろ姿が見え、少女はゆっくりとこちらへ振り向く。
度々視界はノイズとノイズ掛かった少女の声が聞こえる――。
『あ――が…。』
ゆっくりと振り向く少女の横顔が見える――。
少女の頬には血がついている。
『えら――で…。』
ノイズが強く走る――。
左側は暗く、よく見えない少女の顔、反対側はかすかに見え、少女の目は金色に光っていた――。
少女は血が沢山ついていて、口はニヤリと大きく裂けた。
『あなたが――選ぶまで――――!!!』
ノイズと共にその言葉が聞こえた瞬間意識が戻る――。
自分はベットに寝ていたが恐怖と共に目が覚め、体を一気に起こした――。
左手を顔に当て、恐怖により冷や汗が出ていた。
朝日が差し、窓からは光が溢れ出している。
「また…この夢…か…。」
前髪の右側に白メッシュが入り、ショートヘアの人間。
身長は170センチあり、ワイシャツにベルト付きのズボンを穿いている。
ワイシャツはズボンの外側に出してある。
名前はリオ・メサイア。
部屋は所々に亀裂があり、ひびが入っている。
外に出る扉ともう一つの扉は装備品が沢山ある部屋だ。
家具も傷だらけで、窓から見える外は崩壊した世界。
そんな中でもD区域は修復されつつある。
D区域には所々スピーカーが設置されており、スピーカーから朝の放送が流れている。
時々お知らせなど、緊急時に使われる場合がある。
『今日は世界が滅んで45年。』
『今だ訪れることのない平穏…しかし、人類はいつの日か勝利する日が来るでしょう。』
『反撃の時は近づいています。 今こそ立ち上がるのです。』
いつもの放送だ。
正直聞き飽きた。
ベットから体を出し、座りふと呟いた。
「そういえば…今日は新しく戦闘教育学校に入部する子、ラナが来る日か…。」
ベットから立ち上がり、外へ出る扉へ手をかけ、扉を開けた。
「行かないとな――。」
外に出て歩きながら戦闘教育学校へ向かい空を見上げる。
昔は平和な世界だった――らしい…。
2032年、世界に異界のゲートが発生し魔物が大量に流れ込み崩壊した。
45年前の話らしいが…。
魔物は主に3種類いる。
空中を自由に飛び回り槍を生成し投げつけるデビル。
強固な肉体を持ち弾丸をも弾くブローダー。
車のように素早く、爪で物を引き裂くシャドウ。
人類は抗い続け、戦い続けてきた。
だけど、どうでもいい――。
夢も――希望もない。
D区域、戦闘教育学校――。
2階建ての学校で、屋上に行くことも可能だ。
実戦練習場などもあり、戦闘経験を積むことができる。
学校といえど世界は崩壊している為ぼろぼろだ。
生徒の年齢はバラバラで教室は一つしかない。
そして学校の壁は亀裂やひび割れており、窓ガラスも一部割れたままで多少ぼろぼろだ。
18歳以上は色々な仕事ができるが両親を亡くした者や希望者は戦闘教育学校へ来る。
普通の学校もあるが、自分は入れない。
この学校は両親が居ない子供たちの為に用意されているようなものだ。
子供では仕事がなかなかできず、メダルが入手しずらい為だ。
メダルは丸い鉄でできた物で、今の通貨だ。
瓦礫の中に昔の通貨をたまに見かけるが使うことはできない。
学校では銃や兵器の扱い方などの授業、射撃訓練などを行い出席した者にメダルが多少与えられる。
戦闘教育なんて無意味だ。
どうせみんな魔物に殺されるのだから。
実戦練習も授業も嫌いだ。
他の生徒には挨拶せず、教室の中へ入った。
教室の後ろにはロッカーがあり一人ずつ銃が支給され保管されている。
後ろの窓側の席に自分は座り、窓の外を見つめた。
そんな中、少女との出会いにより自分の運命は大きく変わった――。
新しく学校入部するとの話に生徒たちはざわついていた。
『誰だろうねー』
『可愛い子かな?』
『楽しみー!』
教師が教室へ入ってくると黒板中央辺りにある教卓の後ろに立ち喋り始める。
『今日は新しく来た子を紹介する。』
すると一人の少女が教室へと入ってくる。
正直興味などなかった――。
学校の窓から外を見ていた自分だったが少女に目を向けると、身長は120cmほどで幼く、学校制服を着たピンク色のロングヘアーで赤目のたれうさ耳の災いの子だった――。
生徒の皆は驚愕した。
それもそのはずだ、災いの子がここにいること自体おかしいのだからだ――。
15人ほどいる生徒たちが凍り付く中、無口のままでいる少女に向かい教師は喋りかける。
『自己紹介しなさい。』
少女は恐る恐る呟いた。
『ラナ・フォリアです…よろしくお願いします…。』
生徒たちはざわつき始める――。
『あの子の耳、災いの子じゃない!?』
『嘘だろ…。』
『まじかよ!』
『やばいだろ…!!』
自分にも理解ができない。
ざわつく生徒たちに対し教師は遮るように喋り始める。
『みんな静かに! …ラナ・フォリアはリオ・メサイアの隣に座りなさい。』
自分は驚いた。
自分の隣に災いの子が座るのだから――。
『To be continued――』
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