307 昼食を食べ様としているだけなのに、迫りくる影(笑)

 本編が始まったばかりだと言うのに、愚痴からスタートしてしまった俺。


さてさて今回は、その後に、なにが良い展開でも起こってくれれば良いんだが……無いな、絶対にないだろうな(;´д`)トホホ


***


 いつも同様、出口の無い思考のメビウスリング嵌りながら、学校の昼休みの時間を迎えた。



「はぁあぁぁ~~~あぁっ」


そして、昼休みが始まって出たのは言葉じゃなくて、大きな溜息だけが1つ。


ただな。

この溜息の理由は、さっきの話が原因で出た訳ではない。


ただ単に退屈だから出た代物だ。


だってよぉ、2ヶ月前から素直や、山中の2人が、全然、遊びに来てくれねぇんだもんよ。

いや、正確に言えば、アイツ等は俺なんかに声を掛けれる状況に無いなんだよな。

なんせ奴等は、今を時めく芸能人様『ZaP』の前田と『アルファー』高見崎のプロデュースにより、アッと言う間に有名人になっちまいやがったからな。

なので学校に来ても、直ぐに奴等の周りには人だかりが出来て、完全に自由を奪われるんだから、これは仕方が無い事なんだろうけどな。


それに最近では、学校も休みがち。

仕事が忙しいのかして、現に今日も2人揃って休んでやがる。


なんだか、素直が声を掛けてくれてた毎日が懐かしく思える。


んな訳でだ、昼休みになっても、クラスメイトには誰一人として、俺に声を掛けてくる奴は居ない。

そんな風に退屈を持て余し気味の俺は、席を立って、昼飯でも喰いに行こうと考えていた。


なんせ俺は、生まれてこの方、弁当なんて家庭的な物を学校に持ち込んだ事が無い。


生前のお袋は、そんなもんを作る様なタマじゃなかったし、義母である友美さんは華道や、三味線の師範の免許を持っていて毎日忙しそうにしている。

まぁそら、友美さんに弁当を頼みゃあ作ってくれるかも知れねぇが、今更、なんかそう言うのを気恥ずかしいって言うか、忙しいのを邪魔するのも悪い。


そんでトドメは、俺自身、料理なんぞ1度たりともした事もない。

故に、外食しか道は残されておらず、校門を飛び越えて、外食を摂るしか方法が無い訳だぁな。


ただよぉ、誰にも文句なんぞ言わねぇけどよぉ……この毎日の昼食の金が自腹って、どうよ?

あまりにも酷くねぇか?


これだけは、大いに不服だ。


それと先公共『触らぬ神に祟りなし』なのは、大いに結構なんだけどよぉ。

ちょっと、俺にビビリ過ぎじゃねぇか?

生活指導の先公ぐらいは気合を入れて、少しぐらい注意した方が良いんじゃねぇの?


じゃねぇと、その内、他の生徒が調子に乗って俺の真似すんぞ。


しらねぇぞ。

……等と思いながらも、毎日様に、同じ行動を繰り返す屑な俺。


一番ダメじゃん!!



あぁ……アホ臭い。


やめた、さっさと、飯喰いに行こ。


そんな感じで、俺は教室を出てフラフラと廊下を歩き出す。

だが、いつも通り、その道中では、誰も俺には視線を合わさない。


そんな中……



「倉津君♪」

「うん?おぉ、なんだダッツか」


ダッツ事、津田里香が声を掛けてきた。


そして、俺に声を掛けた事により津田は、他の生徒達から、勇者を見る様な眼差しを向けられる羽目になった。


俺って、一体……


あぁ、因みにだが、この女は、津田里香。

俺の大嫌いな【広田と同じ小学校出身】で、漫画の委員長みたいな気質な上に、お節介な奴。


んで、何故そんな奴が、なんで俺なんぞみたいな不良に声を掛けてくるかと言えばだな。


勿論、理由は言うまでも無く、あの馬鹿秀のせいだ。


津田は『自分が綺麗になりたいと』言う願望を、崇秀と言う悪の首領に願い。

心と、体を引き換えに、奴の実家の美容室で改造された改造人間だ。

(セットと、コーディネートの仕方を教えて貰っただけ)


故に、崇秀経由で、ちょっとした知り合いな訳だ。


まぁその崇秀との悪の契約のお陰もあってか、此処最近では、『校内でも可愛い』と持て囃されてる『オシャレ番長』でもあるな。


当然、男子の人気も高い。



「『なんだ』とか言うかなぁ」

「『なんだ』が気に入らないなら『ちぇ、なぁ~んだ、津田か』……これで良いか?」

「舌打ちまでされちゃったよ」

「っで、結局、なんの用だよ?」

「うん?別に用って訳じゃないんだけどね。倉津君が、何所に行くのかな?とかとか思ちゃってさ」


そんなツマラン理由で俺を呼び止めたのな。



「飯だよ飯。腹減ったから、飯を喰いに行くの」

「ふ~ん。でもさぁ、今から購買部にパンを買いに行っても、多分、バターロールか、コッペパンぐらいしか残って無いよ。……後、レーズンパンとかとか」


購買部ねぇ。


購買部って、あれだよな。

文房具を販売してる横で、パンとかが並んでると言う、恐ろしく衛生観念を無視した食品販売所の事だよな。


オイオイ、だったら冗談じゃねぇぞ。

なんで俺が、そんなチープな場所に行かにゃならんのだ?

昼食ってのは、新婚でもねぇ限り、外食で済ますってのに相場が決まってんだろう。


コイツ、そんな常識も知らないのか?



「アホくせぇ。誰が学校なんぞで、みすぼらしい飯を喰うかよ。外食だ外食」

「外食?あぁ~~~、いけないんだ。生徒は学校に1回登校したら、途中で抜け出したらいけないんだよ」

「俺は良いの。先公が、誰も注意しねぇんだから問題ねぇの。俗に言う、公認って奴だよ公認」

「ぐむぅ~。でも、多分、それ、世間じゃ公認って言わないと思うんだけど」

「まぁよぉ、公認じゃねぇってんなら、暗黙の了解だな。若しくは『触らぬ神に祟りなし』って感じなんじゃね?」

「ぐむぅ~」


津田は存外に困り切った顔をしている。

この件に関しては、普通の中学生には、少し難しいかも知れんがな。

これ、世の中では常識だぞ。



「なに悩んでんのかはしらねぇがよぉ。俺、腹減ったから、もう行くぞ」

「ねぇ。ちょ、ちょっと待って」

「オイオイ、今度は、なんだよ?」

「あっ、あのね……昼休みに、学校の外でご飯食べるのって、どんな感じなのかな?とかとか」

「はぁ?おかしな事を聞く奴だな。飯なんぞ、何所で喰っても同じだろうに」

「そっ、そうなんだ」

「うん?」


なんか、ややこしい事でも考えてやがるのか?


俺、マジで腹減ってんだけどな。

出来れば、早く、この状況から開放してくんねぇかな?


じゃねぇと、その内、お腹と背中がくっついちまう。



「あっ、あのさぁ、倉津君。倉津君が公認ならさ。公認の人に付いて行ったら、私も公認になるのかな?とかとか」

「はぁ?オマエ、なに言ってんだ」

「いや、あの、だからさぁ。学校公認なら一緒に行きたいかな……とかとか」

「アホかオマエは?そんなもん、広田にでも連れて行って貰え。オマエ等、付き合ってんだろ?」

「!!」


体を一瞬『ビクッ!!』っとさせて、そのまま俯いてしまった。


イカンなぁ。

どうやら、腹減りが原因で、少し声を荒げてしまったらしい。


これはちょっと悪い事したな。



「あっ、あのよぉ。べっ、別に怒ってる訳じゃねぇんだぞ。俺は『彼氏と一緒に飯を喰った方が美味いぞ』って言ってるだけだからな」

「あっ、うん。そっ、そうだよね。ハハッ、そっ、そうだよね」

「だっ、だろ。俺なんかと飯を喰うより、よっぽど美味いぞ。おっ、俺もそうだしよ」

「うん?その言い方って……倉津君って、誰かと付き合ってるの?」

「まっ、まぁな」


ヤバイ……非常にヤバイ……

この展開は、明らかに『どんな人?』って、聞かれる展開だよな。

んで、説明したらしたで、きっと『写真見せて』とか言われるに決まってる。


いや、別によぉ。

奈緒さんは、俺の空想の産物じゃねぇから、話しても良いんだが……どうやっても、こんなものは信用して貰えないだろうな。


だって、奈緒さんたらよぉ。

あの例の湘南ライブ以降、一気にブレイクしちまったからよぉ。

今じゃ『日本の人口の半分の人間が知ってるんじゃないか?』って言う程『有名人』なんだよな。


それが、俺の彼女とか有り得ねぇだろ。



まぁ……だから津田は、こんな事実を信用しねぇだろうな。



「ねぇ、倉津君の彼女さんって、どんな人?」


けど、やっぱり、誰でも、そう言う定番パターンでくるよな。


ハァ……めんどくせぇなぁ、もぉ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


ただ単に、外で昼食を食べようと思ってただけなのに。

早速、新キャラの津田里香さんに捕まって、厄介な事に成ってますね(笑)


因みになんですが。

この津田さんは、前回の湘南ライブの時に出て来た『カメラマンの広田君の彼女』です。

そして付き合ってる期間は、大体一年ぐらいになります。


さてさて、そんな中。

何故、彼氏持ちの津田さんが、そんなに倉津君の彼女が気に成るのでしょうか?

そして何故、倉津君と行動を共にしようとしているのか?


それは次回の講釈。

また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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