冤罪を救った金髪ギャルから恋愛を教わることになった
煙雨
第1話 学年一美少女を救う
毎朝、誰もいない教室で吹奏楽部の演奏を聴くことが、日課になっている。
そんなある日、いつも通り朝早くから電車に乗り、学校へ向かう。
すると電車の中には、俺---東雲大輝以外に学年一可愛いと呼ばれている秋山千冬が携帯を弄っていた。
(学生とは思えない髪色だなぁ)
金髪である秋山さんが可愛いのは一目瞭然だけど、よくない噂をよく耳にする。
(まあ、噂は噂だけど)
俺はイヤホンをして音楽を聴く。
(早く吹奏楽部の演奏が聴きたいな)
そう思っていると、電車が急停止した。その時、近くにいる男性と女性がぶつかり、秋山さんの足元へ財布を落とした。
俺は音楽を止めてアナウンスを聞くと、緊急停止ボタンが押されたと言っている。
(財布大丈夫かな……)
落とした財布のことが頭によぎりながらも、俺には関係ないと思いこみ、音楽をつけようとする。
その時、秋山さんが先ほど財布を落とした人ともめているのを目撃する。
(どうしたんだろう?)
イヤホンを取り、耳を澄ませると、財布を盗んだのではないかと罵声を浴びていた。
「おい、俺の財布を盗んだろ!!」
「盗んでいません」
「嘘をつくな!!」
男性の声に同調するかのように周りの人も秋山さんのことを卑下するような視線を送る。
すると、秋山さんの目元が徐々に涙ぐんできた。
「あの、この人は取っていませんよ」
「あ? 取っていないって証拠はあるのか?」
「ありませんけど、先ほど電車が止まった時に隣に立っている女性とぶつかりましたよ?」
俺の言葉を聞いた女性がビクッとした。
(ごめんなさい)
「その時に財布がバックから落ちていましたよ」
「……。だけど」
「逆に聞きますが、この人が財布を盗んだって証拠はあるのですか?」
「!!」
その瞬間、男性は無言になった。
「実際に財布が盗まれていなかったわけですし、勘違いだったってことで終わらせませんか?」
「お、おう」
男性はそう言って、秋山さんに頭を下げた。
そして、最寄り駅にたどり着くと数人からさっきはよかったよなど話しかけられた。
(まあ、俺も秋山さんが冤罪をかけられるのは見ていられないしな)
その後、学校へ向かっていると、秋山さんと目が合う。
(!!)
秋山さんに話しかけられるかもって構えているが、特に何もなく学校へたどり着く。
俺と秋山さんがクラスに入ると、吹奏楽部の演奏が流れ始める。
(あぁ、いい曲だな)
心が安らぐ。そう思いながら、朝礼までゆっくり時間が過ぎていった。
そして、一日何もなく終わったため、家へ帰ろうとした時、秋山さんが俺の目の前に立つ。
「ねぇ、今日暇?」
「え......」
「だから、今日暇??」
「あ、うん」
「じゃあ、ちょっとついてきてくれる??」
秋山さんについて行く形でクラスを後にした。
※
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