第6話もっと二人の時間を

 ティアと愛を語った翌朝、俺の方が早く目が覚めてふと横を見るとスヤスヤと眠る可愛いティア…


『最近は王としての責務だったり子育ても含めて二人っきりの時間ってなかなかとれなかったな…これは俺の―男としての反省点だな…』


 そんな事を思いながら眠るティアのサラサラとした髪に触れていると…


「うにゅ〜  エル?」


 どうやら起こしてしまったみたいだ。


「おはようティア。ごめんな、起こしてしまったみたいで…」


「おはよう、エル」


 気にしないでといいながら微笑むティアに朝から見惚れつつ、


「今日は俺に付き合ってくれる?」


「うん♪」




 そんな訳で俺達は二人町中へと繰り出す事にしたんだ。こうして二人で俺が生まれ育ったこの町を歩くのは…あの時以来か…。結ばれた時はそれどころじゃなかったしな…。まぁ、俺が悪いんだけど…。


「懐かしいね、エル」


「―だね」


「エルったら全然私の気持ちに気付いてくれなかったんだから…」


「それは…まぁ、ごめん」


 ティアが俺を好きだなんて夢にも思っていなかったし…


「本当だよ。反省してよね?」


「それはもうしてる」


 そう言ってティアを抱き寄せ…


「だから昨日も愛を伝えたじゃん?」


「も、もう…ばかぁ…こ、こんな所で…そんにゃこと…」


 ティアに言われて気付いた。ここは町中という事を…。当然そこには町の人達がいるわけで…


「陛下達ラブラブ〜」

「うらやま〜」

「ヒュ〜ヒュ〜」

「陛下私にも〜」

「ティア様可愛い過ぎる〜」

「エル様堪らん…」

「チョモランマっ!?」


 そんな声が聞こえてきた。最後のは全く意味が分からんが…。まあ、そんな感じでティアとの二人だけの時間を楽しんだんだ。


 デートの最後は勿論あそこ。俺達が初めて結ばれたあの場所。


「ここも久しぶりだよね」


「ティアと結ばれた日以来かな」


「エルったら…薬のせいとはいえ…私初めてなのに…何度も何度も求められて…激し過ぎて気絶しちゃったし…」


「それは…そうなんだけど…それ言わなくてよくね?」


「ふふっ…だって、本当の事だもん」


「じゃあ…あの時に戻ったみたいにティアを求めようかな」


 そう言って優しくティアを花畑に押し倒し…


「や、優しくね?」


「うん」


 そしてこの日もまた二人の影は重なり…


 一言…存分に愛し合いまして…四人目と五人目を同時に授かる事になりました。



 


 

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