幕間sideレイラ
私の一族は吸血鬼と呼ばれている。または呪われた一族とも呼ばれていた。そう呼ばれるのには理由がある。私の先祖が人間の生き血で湯浴みをしていたらしいから。生き血と言っても人を殺して手に入れた血ではない。領民達にお金を払い血を分けて貰っていたらしい。なんでも美しさを保つ為だったそう。真偽は分からない。私はそんなものを使いたいとは思わないから。
私が住んでいた所はアルタイル領から北にある海の向こうの遥か北の方にある国の東の領。そこで先祖代々侯爵位を授かり私達は幸せに暮らしていた。
そんな私達の代まで吸血鬼の異名で呼ばれているのは未だに血を領民から買っていたから。勿論それにも理由がある。税を払えない人達の為に血を買ってあげていたのだ。
もっと言うと、うちの国は税の取り立てが厳しかった。そうなると当然払えない人が出てくる。払えない領民達はどうすればいいのか悩みに悩んだ。
そして、そんな領民達は代々伝わってきた習わしを思い出す。
『困った時は血をレッドアイ侯爵家に血を捧げよ!』
―と、いう事を…。
どうしてそんな風になったのかは分からない。でも領民達が困った時には手を差し伸べるのが私達レッドアイ一族。
だからといって血を買い取るといっても使わない血を大量に買い取る訳にもいかない。だから針で指を刺しプクッと出てきた血を白い皿に垂らすだけ…。
私からしたらただで助けてあげればいいのにと思っていたんだけど色々とあるのだと聞いた。対価というか何というか…。あまり詳しい事はまだ私は聞かされていなかったので分からない。
そして、当然といえば当然の事だけど私達レッドアイ侯爵家を嫌っている公爵家や侯爵家等も存在している。そしてそんな人達によって私達レッドアイ侯爵家は歴史より消えてしまう事になった。前国王が暗殺され新国王が誕生。それを期に血を買い取っていたのを利用される形となった。
領民を騙し殺して生き血奪ったとか、生き血を啜ったとか…色々な罪をきせられた。領民達もそれは違うと言ってくれたのにそれは通じなかった。なんとか処刑は逃れる事が出来たものの私とお母さんは奴隷に墜とされることになった。
お母さんとは別々の奴隷商へと身柄は引き取られる事になった。
私はいくつかの奴隷商をたらい回しになった。力もなく、食い扶持だけ掛かる子供の私はどうやら敬遠されるみたい。そんな事を聞いた気がする…。
私はただ…お母さんに会いたい…。そんな想いで心は溢れていた…。
そして…そんななか、私は別の国の奴隷商に引き取られる事になった。ウーシェンという女性の奴隷商。その女性はちゃんとした食事を食べさせてくれた。口は悪いみたいだけど…。
ただお母さんとの距離がどんどん離れていく…。二度会えないのではないか…。その事が私から生気を奪っていくのを感じていた。
ウーシェンさんとある村に立ち寄った時、私より年下の子供が私を買いたいと言った。遊び相手が欲しいのだろうか?
その子はなにやらウーシェンさんと取り引きをしてるかの様。その時のその子は私より年上に感じた。
しばらくしてどうやら何かの取り引きが成立したみたい…。
そして私はその子に引き取られる事になった。その時の私はまさか男の子だとは思っていなかったけど…。
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