シリーズ・夜会①〜再会、俺のジュニア挟んで殺し合い


――ハルキ…会いたかった…――


 幼い時に良く聞いた声…小さかった時には心地良く…

 大人になってからは思い出すのも嫌だった。

 悲しくなるからな、思い出は全部セピア色になった。


「ははぁ~ん、貴様が…今更何をノコノコ…イブキ様曰く、初めての戦場で右も左もわからぬ緑の少年兵以下の忠義、弾持って来いって言ってんのに逃げた馬鹿、今更ドヤ顔で登場するな、さっさと失せろ」


――……やっと、やっとハル【ボッッ!】


 ハヒルは空いている手で、何かを飛ばして窓から入ってこようとする青白い人影の上半身をふっ飛ばした。

 

「しかしイブキ様も素直ではない…真名はハルキと仰るのか…ハヒルとそっくりでありませんか♥」


 確かに俺は…涼宮ハ◯ヒと俺の名前は近いといえば近いが…


――違う…ハルキは私…ミハルに近『ボッッ!』


「お前に喋る権利は無い、常にイブハルキ様のお側には私、ワタシク天下一番奴隷のハヒルでございます」


 正直さっきからハヒルが片腕で出している衝撃波みたいなのが当たりそうで怖い…多分当たったら死ぬし…


――さっきからなに?…ハルキにね…ちゃんと説明したいの…だから【ボッッ!】


「どっか遠くの海に向かって喋っていろ、去れ」

 

――…………おねえちゃんになにがんかってるのよんほんりんきにイイイイイイイイイ――


 突然、美春の声で何言ってるかわからない言葉を喋り始めた…怖い…ハヒルも煽るな…


 おお?何か…嫌な…電車の音?マジで?なんの再現?嫌だ!今度は全裸で電車かよ!?


 プアアアアアアアアアアアアッッッ!!!


――魔王スキル!【ハルキに捧げる最後ラスト・オブ衝撃メトロダイ・バンカー】――


 捧げるなよ!?それ死因!窓を見ると青白い拳電車サイズの拳が凄まじい速度と圧力で飛んできた!


 ドゴォッ!!!!!



 その電車の様な拳は俺のギリギリ真上を通るとそのままハヒルにぶち当たった…が…


 青く揺らぐ拳が消え、少し鼻血が出ているハヒルがニヤァと笑った…

 ちなみに今の一撃で俺が20ダースぐらい死ぬだろう威力だ。


「この程度でイブキ様に夜這をかけようなど笑わせてくれる…私でさえ寝所に入るのは命がけだ…この程度の武威でイブキ様を襲おうなど笑止千万!ウオオオオオオオオオ!!!!!」


 スコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコシコスコスコスコスコ


――なんなの?貴女…やめて…ハルキに悪戯しないで…お願いだから消えて…私はハルキに…――


 ハヒル…何故だい?何故、俺のジュニアを超高速で上下運動させるんだい?寝た振りをしているんだよ?なぁハヒル?


――貴女…その格好…メイドなんでしょ?…どっかいって?…私はハルキの昔からの「じゃかましいわっ!」


 ハヒルは開いてる手で坊さんが悪霊退散する時の動きをした。


「イブキ様!曰く!浮気女は人知れず死すべし!」


――え?…違――


「イブキ様!曰く!違うと言ったらホント!なんでぇ?と言ったら馬鹿!」


――なんでぇ!あっ!?――


 なんでぇ!?俺の股間の近くでやめてぇ!違うよ!やる場所が違う!他所でやれ!


「イブキ様ッ!曰くッ!最早ハヒル一択!貴様は記憶から消えたッ!去れ!三股女!なぁ!グリセリン先生よ!」


 グリセリン?転生の英雄・大賢者グリセリンは魔王討伐後に寿命で死んだ筈だが…


『3つ股があるのは昆虫とはイブキの言葉…パターンNTRで元鞘は余程気紛れな原作者出ない限り起こり得ない』


 なんか幽霊みたいに上半身だけになっているグリセリンが喋った…いや、死んでから初めて見たんだが?

 まるでいつも呼んでるみたいにハヒルは言ったが!?


「………………………オウッフ!?ウッ!」

 

 色々考えてるうち俺の腰が言う事を聞かず、気付いたら出してた、まるで噴水の様にビューっと。

 全く気持ちの入っていない、ただ発射した感じだ…


 美春と…何故かグリセリンの前で出してしまった…美春の前では確かに望んだが…こんな事じゃないんだよなぁ…


――ちがぁう!ハルキならきっと…いやぁぁ!…やめてよぉ…え?コレ…ハルキの…?…――


「イブキ様曰く…メインは私にぶっかかったが2、3滴はくれてやるから二度と顔出すなという優しさだ。それで失ったものの重さ…考えながら成仏しろッ!」


 ハヒルは気付いたかのように、宿屋の俺の寝てる部屋の窓枠を全部ふっ飛ばした…コレ、誰が弁償するんだ?

 

――ハルキ…嘘…だよね?…嘘…だよ…また…来るから…――


 そして美春らしき青白い影は消えた。

 もう来ないでくれ…

 そして俺はこの奴隷に言わなければならない…疲れた…


「ハヒル、お前も早く寝ろ…命令だ…」


「は!起きしまいましたか!?それでは!」


 メイド服のハヒルが消えた…と思ったらベッド下から気配がする…グフフとか聞こえる…

 そしてハヒルに憑いてるのか知らんがグリセリン(お爺さん)が枕元で目線が合ってない状態で浮いている。


 俺はありとあらゆる問題を明日の俺に任せた…

 宿題はギリギリまでやらず、連休明けに結局やって無くて怒られるタイプだ…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る