混迷迷宮

第1話

 ひとりの青年が暗い昏い儚い水の中にいた。

彼は藻掻かない、もともとが死にたかったから。


 確かに、自分を自分で傷付ける行為をしてはいけない。でも、無気力な人間だからこそ突発的にその行為におよんでしまう。


 ひとりの青年が暗い昏い儚い水の中で動き出していた。


 まぶたがひらかれる。

 (なんだよ、ここは。地獄か?…………ふぅ、くっくっくっ。とうとう死んだか。聞こえてるんだろ神様。話し合いをしようぜ。)

 という心の中の声で誰かと会話をしようとした


 ♥【ふふふっ。気づかれてしまいましたか、そうそう気づかないものなんですがね?】


 そこからは、男と神の交渉が始まった。

 「お世辞でもありがたいな。で?俺の言葉を聞いてたんだよな。いつからだ俺が言ってたことはお前に流れていたか?」


 ♥【そうですね。全てではないですけど、貴方の死にたい、違う世界に行きたい、無理ならただただ殺してくれ。といった感情までは聞こえていました。】


 「それで今頃こっちに来たのか。」


 ♥【ええ。そういうことです。】


 「なら、どんな世界に行くんだ。どんな文化で、ステータス、スキル、コレに関してはなにかあるのか。」


 ♥「ええ、あなたの想像通りよ。異世界は中世が一般的なところ、それより上も下もあるわ。あと、かんじんなステータスとスキルはあるわよ」


 「わかった。行くよ。すべてを(好きなように)」


 ♥「そうですか。もっと早く貴方を救いたかった。では、転送します。お元気で。」


 立って話をしていた男が、神様の魔力からつくられた魔法でとばされた。

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混迷迷宮 @shirogane-ryuku

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