No.2 すれ違い

「何故?何故だと?」

「そんなことは、確認しなくても分かるだろ?」

「私が体験したことを、聞いていたのか?」

「私の今、堪えきれずに溢れ出した言葉を、聞いていたのか?」


聞いていたよ。聞いていた。

望みを体験して、さらに不平不満を垂らし、挙句の果てに、私に悪態をつくアオ

君は、それを見て、体感して、どう思うんだ?


「私にそれを体験させて、『すまなかった』とか、『かわいそう』とか、『悪いことをした』とか、少しでも心を痛めたりとか、無いのか?」


うん?あぁ。。。

面白いなって、実に面白いなって思って。


「何が?何が面白い?」


望んでいた事を、実際に体験して、憤慨して、憤って、怒り狂うアオ。

A OH.

思い掛けない結果だよ。


「それは、私の答じゃないか。」

「君は、私が望んでいた言葉の真逆を口にする。」


しょうがないよね。君と私は逆なんだから。


「逆?何が?」


私はすべてを失っている。

もとい。すべてを持ち合わせている。

もとい。すべてを持ち合わせて、溢れ出させている。

もとい。すべてを満たしている。


「ブルー。。。」

「君は、私をからかっているのか?」

「さっきっから、真逆の事を言い表しているんだぞ?」


君は、頭が良いね。

そう。君の言っている通り、すべてが存在し、すべてを失っている。それを『全』と言う。

私は、すべてを持ち合わせている。ゆえに、『無』であるんだ。


「ブルー。君は、何を言っているか?分かっているか?」


分かっているよ。分かっていないとしたら、

アオ。それは、君だ。

私は、全知全能。 

君は、覚悟を知っている。逆に、満たすことが、存在しない。ゆえに、常に、「在る」んだ。


僕に無いものを持つのが君で、

君にないものを持つのが、私。

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