No.2 すれ違い
「何故?何故だと?」
「そんなことは、確認しなくても分かるだろ?」
「私が体験したことを、聞いていたのか?」
「私の今、堪えきれずに溢れ出した言葉を、聞いていたのか?」
聞いていたよ。聞いていた。
望みを体験して、さらに不平不満を垂らし、挙句の果てに、私に悪態をつくアオ
君は、それを見て、体感して、どう思うんだ?
「私にそれを体験させて、『すまなかった』とか、『かわいそう』とか、『悪いことをした』とか、少しでも心を痛めたりとか、無いのか?」
うん?あぁ。。。
面白いなって、実に面白いなって思って。
「何が?何が面白い?」
望んでいた事を、実際に体験して、憤慨して、憤って、怒り狂うアオ。
A OH.
思い掛けない結果だよ。
「それは、私の答じゃないか。」
「君は、私が望んでいた言葉の真逆を口にする。」
しょうがないよね。君と私は逆なんだから。
「逆?何が?」
私はすべてを失っている。
もとい。すべてを持ち合わせている。
もとい。すべてを持ち合わせて、溢れ出させている。
もとい。すべてを満たしている。
「ブルー。。。」
「君は、私をからかっているのか?」
「さっきっから、真逆の事を言い表しているんだぞ?」
君は、頭が良いね。
そう。君の言っている通り、すべてが存在し、すべてを失っている。それを『全』と言う。
私は、すべてを持ち合わせている。ゆえに、『無』であるんだ。
「ブルー。君は、何を言っているか?分かっているか?」
分かっているよ。分かっていないとしたら、
アオ。それは、君だ。
私は、全知全能。
君は、覚悟を知っている。逆に、満たすことが、存在しない。ゆえに、常に、「在る」んだ。
僕に無いものを持つのが君で、
君にないものを持つのが、私。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます