第13話 サイトウ、ポツったーはじめる

 小倉クリームトーストにミックスピザ。


 ナポリタンにハンバーグ。


 チョコパフェにメロンソーダ。


 ヒメカもタマネも、決して一口は大きくないのに。


 テーブルに乗りきらない量のご飯やスイーツをあっという間に平らげてしまった。


(どれもこれも全部、大盛だったってのに……。 いったい、あの細いカラダのどこに消えちまったんだよ~~~~っ! )


 フードファイター顔負けな二人の食欲に恐怖を覚えつつ、顔合わせを兼ねた俺の歓迎会は幕を閉じた。






 タルタルコーヒーで二人と別れた後。


 俺は、明日から再開することになったダンジョン攻略に備え。


 今のカラダに合ったサイズのアイテムバッグなど、必要な品を買い揃えてからホテルに戻った。


(ジョブチェンジの石にはじまり。 ここ数日で、かなり出費が増えちまったから……明日から頑張らないとな)


 購入した商品の梱包を解き。


 ベッドに腰掛け一息ついていると、枕元に置いていたスマホがぶるっと振動した。


 ピコン。


「およ? 」


 ヒメ☆ミさんがあなたをフォローしました。


 鈴の音さんがあなたをフォローしました。


(ん……? えっと、たしか……。 ヒメ☆ミがヒメカで、鈴の音がタマネだったか)


 歓迎会の最中に、ポツったーのアカウントを作るよう激推しされたので。


 買い物から帰ってすぐに、やり方を調べポツったーの登録を済ませておいたのだ。


「俺もヒメカたちをフォローしとけばいいんだよな」


 プライバシー設定にもよるみたいだが。


 お互いにフォローしておかないと、肝心のプライベートメッセージ機能が使えないらしいので通知欄からヒメカたちのアカウントに飛びフォローしておいた。


「これでよしっと」


(さーて、と。 そろそろいい時間だし、飯でも食って寝るとするか)


「とと、その前にお風呂を沸かさねば……」


 自分のカラダとはいえ、未だに裸で風呂に入るのには抵抗があるが。


 明日からは若い女子二人と行動を共にするため、なんとしても清潔にしておかなければならないのだ。


(ヒメカやタマネに、サイトウちゃんなんか匂う……なんて言われたらおっさんのメンタルがブレイクしちまうからな…! )


「お風呂~お風呂~いい湯なお風呂~っと♪ 」


 ピコン。


 エリちゃんさんがあなたをフォローしました。

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