鉱山の洞窟
勇とエリカは洞窟の入り口に立っていた
そこでエリカは自分の中の違和感を感じた
『私、この洞窟の中から魔力を帯びた吹雪が
出て来ていると思ってたんだけど
ここまで来てみたら
入り口から吹雪が出て来ている訳じゃなくて
この洞窟の向こう、山の向こうってとこらへんかしら
あのあたり吹雪が出ているわね』
そういってエリカは洞窟がある鉱山の一山
向こうの方を指さした
2人でそこを眺めていると声をかけられた
よく見ると入り口に山小屋があって
そこから1人のおじさんが出て来た
『おぉ〜寒い寒いっ
お〜い嬢ちゃん達
こんな時期に採掘の行くのかい?
寒くて凍えちまうぞ?』
おじさんはどうやらこの鉱山を管理係を
村から任されているらしい
若い娘2人がくっそ寒い鉱山の入ろうとしているので
心配になったようだ
勇とエリカは事の詳細を説明した
『とまぁカクカクシカジカな訳で
中の様子を見に来たんです』
勇の説明を受けておじさんは
少し驚いていたが
そういう事ならと小屋の中に案内してくれて
そこで鉱山内部の説明をしてくれた
『若いのに王国からの調査を
任されるなんて恐れ入るね〜
で、中の構造なんだが
この地図を見てくれるかな
基本的にはまっすぐで東側方面に
よい石がよく取れるってんで
そっちに向かって穴が掘られてる
東側は特に魔物も出ないし
発掘作業するにはうってつけなとこだよ
んでぇ西側だが
東側ばかりで西側が未開の地だったのを
一攫千金狙ったよその街の業者が
掘り進んでいったんだが
半年ほど前のことだよ
掘り進んだ先がどこかのダンジョンと
繋がったそうだ
そこにはスノーオーガとも雪男とも言われる
モンスターがたくさんいたらしい
街のギルドに依頼して
討伐作戦が決行されたんだよ
モンスターどもを追い払ったものの
結局いい石はとれず
骨折り損ってやつだった
そういう事なんで
今は西側で採掘はされてないんだよ
西側のダンジョンにつながる通路は
またモンスターが出ても
やっかいなので今は封鎖しとる
封鎖って言っても簡易的な扉つけてるから
そっから先に行ける
鍵貸してあげるから持っていきな
吹雪の原因があるかどうかは分からんけど
もし西側に行くのなら
奥の方はまだモンスターが出るかもしれないから
十分気をつけてな
あぁそうだ、この地図持っていきなよ』
おじさんに見送くられて
勇とエリカは鉱山内部へと入って行った
内部は採掘場になってる事から
魔燈と呼ばれる外灯のような物が
設置されていた
勇は地図を見ながら
『とりあえずやっぱ西側だよね〜
話聞いても怪しいフラグ満載だったもんね!
という訳で西側へレッツゴーだ!!』
勇はワクワクしながら先導していく
『あんたなんでそんなに嬉しそうな訳?』
エリカが怪訝な目で勇を見る
勇はニコニコしながら
『だって洞窟探検ってワクワクしちゃわない?』
目がキラキラとして冒険心が止まらないらしい
あちこちやたらと触る勇を怒るエリカ
だが特に何事もなく奥へと進んでいく2人
封鎖されているという西側のダンジョンへの
通路前までやってきた
そこは木材で防壁が作られており
聞いてた通り端っこに小さな扉がついていた
借りていた鍵を使って扉を開けて
先に進む勇とエリカ
ダンジョン内に入った途端
なんとも言えない空気に包まれた
『ねぇエリカ急に空気が重くなった気がしない?
圧迫感があるっていうか・・・
ここからどうする?』
勇がダンジョン内をキョロキョロして見渡す
エリカはジッとして何かを感じとる
『あっちの方ね
濃い魔力を感じる
すごく嫌な空気・・・』
2人は警戒しつつ黙々と歩いていく
先ほどまでの鉱山の坑道とは違い
整備されていない道
さらに氷壁と足元も凍りが目立つ
おのずと口数が減る2人
エリカが魔力探知をしつつ
奥へ奥へと進んでいく
そうこうしていると
少し休憩できそうな広場に出た
少し疲れた2人は一旦腰を下ろして
休憩する事にした
勇が座りやすそうな石を見つけたので
そこに腰をかけたのが
その瞬間、石が沈んだ
目の前でエリカがもたれていた壁が
大きな音とともに開いた
エリカは思わず開いた石壁側に
倒れてしまったのだが
その先は下坂の坑道になっていた
更に凍結していた為
エリカは滑り台のように
勢いよく滑っていってしまった
『きゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜あぁぁぁぁ・・・・』
エリカの断末魔ともとれる
叫び声が坑道にこだまする
勇もすぐさま追いかけ飛び込む
が、まさか先が凍ってるとは思わず
勇も滑り落ちていく
『あははははは〜〜なにこれ〜〜〜
たぁのしぃ〜〜〜』
こっちは楽しそうであった
勇が滑り落ちた先にエリカが転がっていた
当然そのエリカにぶち当たる
正座をさせられ大目玉をくらう勇
エリカに説教を受けていたその時
背後にあった大きな氷山が起き上がった
続く
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