人魚姫強奪
イルワーを拘束した後エリカは階段を
勇は2階エントランスから飛び降りた
1階についた2人は壁に激突して倒れていたはずの
魔人の姿がない事に気が付く
『魔人がいない・・・』
エリカが呆然としている
勇は以前に王都で見た事を話した
『前に王都でやっつけた魔人も
闇の中にえていった事があったの
その時ね変な声が聞こえて
誰かが意図的に魔人を連れていってるみたいなの』
と、そこまで話した時だった
どこからともなく声が聞こえて来た
『変な声って失礼ね
私が回収しているのよ
だって
ほっておくと怒られるのよね〜
という訳でこの子も貰っていくわね
私はあなた達に今は特に興味がないの
な・の・で
さようなら〜』
勇とエリカは少し困惑してたが
『エリカとりあえず行こう!』
勇の一言を受けエリカはハッとして頷く
2人は屋敷を飛び出て人魚姫を運んでいると思われる
王国研究機関の馬車を追った
勇はチラッとエリカを見て
『エリカ、ごめん
ちょっと急ぐね
よいしょっと!』
そう言ってエリカをひょいと持ち上げた
いわゆるお姫様抱っこをして全速力疾走に切り替えた
エリカは抱っこされたまま物凄いスピードで
流れていく景色を見て必死で勇にしがみついた
『ちょっ・・・おっ落とさないでね〜〜っ』
その声も勇のスピードに流れいってしまう
数分後2人は切り立った崖の上に立つ
そこから山を下る道を見渡し馬車を探した
『勇!あそこよ!!』
抱っこされた状態のエリカが
山中を降りていく馬車と護衛の騎士達を見つけた
勇は崖を飛び降りようとした時だった
ふと崖の下を見て動きが止まった
エリカは勇を見上げ
『勇、どうした?』
勇はにニコっと笑って
『エリカ、私良い事思いついちゃった』
そう言って崖の下の方を指差し
エリカの返事を聞く前に10メートルはある
崖を飛び降りた
王立研究機関の馬車はシートで覆われた
大きな荷台を引いていた
前後を護衛の騎士団がついており
輸送物の重要さが見てわかる
その馬車の行く手を急に遮るものが現れた
『おう!おう!おう!お〜う!!
その荷物
わたした・・・ゴホンっ
俺たちがいただくぜ〜
ねっお頭!!!』
フードを被って口元を布で覆い
顔を隠した勇者の少女が馬車を止めて
威嚇していた
『さっさと荷物を置いていきな〜
さもないと痛い目みるわよ・・・
見るぜ!!
ねっお頭!!!』
全身を黒いマントで覆った
小さな魔法使いの少女が
続けて王国の騎士団に喧嘩を売る
そして2人の盗賊が振り向いた先には
崖の下で仲間と酒を飲んでいた時に
勇とエリカに拉致された
盗賊団、漆黒の月のお頭が半泣きで立っていた
遡る事少し前
崖の下で火を起こして酒を煽っていた
盗賊団の真ん中に
数メートル上から少女が少女を抱っこして
降って来たのだった
全員がびっくりしていると
勇はにっこり笑って
『やぁ
先日はどーも』
勇がそう言って挨拶をすると
盗賊団の1人が
『あ〜〜〜
こいつらこの前のやつらですよ!
お頭!復讐のチャンスですよ!』
と叫んだ
しかし勇はそんな事を無視して
『急で申し訳ないんだけど
今から盗賊団にはいりまーす
そして更に急で申し訳ないけど
お頭さんおかりしまーす』
そう言って全員が呆然としていると
エリカを片方の肩に乗せると
お頭の首根っこをつかんで
強引に拉致していった
そして今に至る
馬車の荷物を守るように
騎士団が盗賊粉する勇達に襲いかかって来た
というか普通に防衛してきた
5分後・・・
王国側の全員が気絶していた
勇によって瞬殺されていた
『ふっ峰打ちじゃよ』
そう言って気分に浸る勇
手を合わせて合掌し
王国関係者の悲運を哀れ見るエリカ
訳もわからず呆然としている盗賊団のお頭
勇はごめんねーと申し訳なさそうなに
謝りながら馬車の後ろにあった大きな
荷台のシートをはずして中を確認した
そこには水の入った大きな水槽があり
その中に眠らされる人魚姫がいた
勇とエリカは馬車にささっと馬車にのり
人魚姫を強奪した
そして呆然とするお頭にエリカが
『そこらへんの金目の物
あなたにあげるわ
ただし、人の命はとらない事
そして今起きた事は忘れる事ね
それじゃ私たち盗賊団を抜けるね!
ばいばーい』
人魚を乗せた馬車はその場を走り去っていく
続く
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