11.5話 外伝 その頃勇のいた日本では・・・
女神の住む神界
勇を送り出した女神は
勇の届かない思いを不憫に思った
『勇、あなたの声
ご家族に届けてあげますね』
所変わって勇が生前過ごした日本
勇の葬式が終わった次の日の夜・・・
勇の父母の寝室
『お父さん、お母さん・・・
こんなことになって・・・』
勇が異世界に旅立つ前家族への思いが
女神によって夢という形で伝えられた
次の日の朝、勇の自宅のリビング
起きてきた父親がリビングのテーブルに座って
ぼーっと勇の写真を見てる母親を見て声をかける
『おはよう・・・
大丈夫か?』
父は娘を失ったつらさはお互い様ではあるが
やはり母親のつらさは、自分の何倍もあるのでは?
と心配していた
父の方を見ずに母が話始める
『昨日、夢に勇が出てきたのよ
相変わらずニコニコしてたわ
別れの挨拶なんかされて
妹が欲しいって言ってたのを
夢でも言われて・・・』
涙が止まらない母
その話を聞いて父は驚く
『え?俺の夢にも昨日、勇が・・・きて・・・
私たちの子でよかったって・・・』
父は言葉につまる
それを聞いて母が
『あなたのところにも!?
勇・・・・
最後に私たちの所に来てくれたのかな?
あの子ったら私たちの心配なんかして
もう・・・バカなんだから・・・
あの子小さい時言ってた
妹が生まれた愛がいいって
勇気の勇と愛とでアンパンマンだー!ってね
結局妹はできなくて
のぞみ叶わずって言ってたけどね・・・
ゆう・・・・ゆう〜〜〜〜ゆぅ〜〜〜〜
私もね、私も
あなたの母親でとても幸せでした』
勇の写真を涙を流しながら微笑み
ずっと眺めている母
父は勇の好きだったプリンを写真の横に置いて
そのまま2人にしてリビングを後にした
『父さん、あけるよ』
そう言って道場にいた爺さんの様子を見に来た
中に入ると何やら独り言をずっと言ってる勇の祖父
『どうした?ついにボケたか?』
と勇の父が心配して声をかける
祖父は勇の父をチラッと睨んで
『勇が、まだわしに教わり足りないって
言ってきたからの
教えきれてなかった事を
最後に伝えとるんじゃ』
それを聞いた勇の父は
『父さんのとこにも来たのか?』
と驚いていた
祖父は
『ふんっ!勇がわしに挨拶もせず
どこかへいく訳なかろう』
それを聞いた父は言葉を失った
そこへ後ろから声が
『俺のとこにも来たよ、勇
遺言でじいちゃんの事よろしくって
言われたから様子見に来たんだけど
大丈夫そだね』
振り向くと勇の兄が立っていた
『じいちゃん後で組み手
久しぶりにお願いしていいかな?』
祖父は相変わらず勇に話かけていたが
『勇の後で、ならかまわんぞ』
そう言ったのを聞いた勇の父は
『あ、俺も久しぶりにしようかな〜』
と混ざろうとしたのだが
兄が父の顔を見て
『無理しないほうがいいんじゃない?
ろくに寝てないでしょ?目、真っ赤だよ』
そう言って道場を後にした
勇の父は兄の背を見ながら
『お前もな・・・・』
と呟いたが聞こえたかどうかは
定かではない
その後、勇の父も道場を後にし
庭に出て空を眺める
『勇、みんなの事が心配で成仏できないよな?
大丈夫、後は俺に任せろ
お前がいない悲しみはきっと一生消えないけど
それも背負って生きていくさ
お前が助けた小学生2人な
怪我なく元気だって
お前の分も頑張って人生楽しんでって
伝えといたぞ
ゆう、ありがとな』
そう言って庭で1人涙を流す勇の父
その頃は勇は道着のお尻の部分の破れた所を見て
パンツ一丁で凹んでいた
続く
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