君の声、笑顔、温もりを僕は探し続けている

 君とはじめて出会ったのは、クソみたいな残業で終電を逃した日だった


社畜ヨロシク、そんな言葉を自分に吐き捨てる


ヘドが出る毎日


慣れたように会社のソファで眠ろうとコンビニで弁当を買っていた時


「お仕事お疲れ様です」


名前も知らない、たまに見かける女の店員


はじめての会話と受け取った温かい弁当


少しだけ


ほんの少しだけ、この仕事をしていてよかったと思った日だった


それから、残業で遅くなるとコンビニに寄るようになった


弁当を受け取る間の他愛もない会話


苦痛だらけの会社が、どーでも良くなった頃


君はいなくなった


どれだけの時間が経ったか分からない


君の声、笑顔、温もりを僕は探し続けている


会いたいよ


僕が成仏する前に…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る