猟奇的な短編集
秋晴ライヲウ
籠の中の鳥
最近、新しいトモダチが出来た
名前はボクと同じ小林(仮)だ
「おはよう」
「やぁ、おはよう」
「今日は何をするんだい?」
「う〜ん、何をしようか」
「小林は何をするんだい?」
「そうだなぁ、何をしよう」
小林(仮)はボクと話す時は眼をしっかり見て話してくれる
そういえば、小林(仮)が他の人と話しをしているのを見たことがない
あれ?
最近…小林(仮)以外に誰かに会ったっけ?
まぁいいか
もう一度、小林(仮)に話しかけようとしたところで声をかけられた
「席につけ!」
「うわぁ、うるさい人が来た」
ボクは席に座った
ガチャガチャ…
扉の外で音が聞こえる
重い音と共に扉が開き、怖い顔の男がボクを呼ぶ
「小林!運動の時間だ」
そうだ…
ボクは小林、此処は刑務所の中
「早く仕度しろ」
扉の前にいる刑務官が小林に言う
あれ?ボクが小林?
そうか、何十年もここにいて少しボケたのか
ここは 鳥かご
ボクは 籠の中の鳥
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます