(二)-4

 電車の乗っている間、翔太はずっと拓弥に話しかけてきた。

「加島君はどの辺に住んでいるの?」

「今学生なの? フリーター?」

「どうやって事務所に入ったの?」

「こういうバイト、他にもしてたことあるの?」

「一人暮らし? 実家はどこ?」

 そんなふうに立て続けに質問を拓弥に投げかけてきた。

「茂呂駅の近くのマンション」

「学生。専門に行ってる」

「スカウトされた」

「全然したことない。今日初めて」

「一人暮らし。実家は静岡」

 拓弥は質問に、そう短く返答した。


(続く)

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