(一)-5

「こちらは藤阪翔太君。一昨日スカウトしたのよ。あなたと同じそこのサンロードを歩いている時に声を掛けたの。年齢も同じ一八歳だったわよね」

「はい、僕は今一八、今年で一九になります」

「こちらは加島拓弥君よ。加島君は先週私がスカウトしたの。二人ともまだモデルの仕事は初めてでしょう。お互いよろしくしてね」

 そうおばさんが言うと、翔太は「よろしく、加島君! 僕のことはショータって呼んで!」と笑顔を作って手を出してきた。

 拓弥はぶっきらぼうに「よろしく」とだけ言った。


(続く)

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