第11話 「 日差し ~ホーム・レス~ 」

 全くムカつく。

 街はボクとは無関係に移ろい、去る。時折顔を上げて周りを見渡せば、見知らぬどころか、まるで別世界の生き物たちが軟体動物のように揺れているだけだ。

 いつか頭上に光が降りそそぎ、ボクもろとも消し去ってくれればいい。その一瞬をボクはずっと待ち続けているのだ。しかし・・・。

 ボクは今のところ歩くしかない。照りかえしのきついアスファルトの道をひたすら。ボクの道すじの先にはゆっくりとした虚無が大口を空けているだけだ。

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