第2話
目が覚めたら、ふかふかのベッドみたいなところで寝てて誰もいなかったからのそのそ起き上がって、とりあえず水辺に向かった。反射して写った自分の顔を見て、ほんとに人外に転生してる、と感動してしまった。いいね、もふもふだ。
眠っている間に色々なことを思い出した。でも一気に知識がインストールされた感じがして、頭の中がごちゃついているから一旦整理しようと思う。
まず、この世界は一つの円形の大陸であとは海と大きくはない島々で構成されている。大陸は東西南北で綺麗に四分割された形で四季が分かれていて、それぞれ神の化身とされる聖獣がいる。
東の聖獣・春の王フェンリル
西の聖獣・秋の王ドラゴン
南の聖獣・夏の王鳳凰
北の聖獣・冬の王白虎
私はその中で東の聖獣、フェンリルの娘として生まれたらしい。一族としてたくさんフェンリルがいるわけではなく、現在フェンリルはこの世に父、兄、そして私しかいないらしい。そもそも聖獣は長寿で、子供を作るのが遅くそのため私と兄の歳も何百年と離れている。聖獣同士の森も離れているため、百年に一度会うか会わないからしい。唯一例外として、子供が生まれたときは会いに来るみたい。森の外、つまり大陸の内側には人間が住んでいて、東西南北で国も分かれている。どの国も中世ヨーロッパぽい感じで王様が国を収めている。
ここで私の家族の話をしようと思う。
パパは現在の春の王。名前はディルック。さっき初めて会った時は人型だったけど、獣型になると10メートル以上にもなる。前世でよく見た人間に耳と尻尾が生えた獣人の姿にもなれるらしい。もふもふしたいところだ。
ママは狐獣人。名前はルシア。赤茶色の髪の毛が綺麗な美人さん。獣人だけど狐の姿にもなれるみたいで日本にいた狐よりも大きいけど、パパが大きすぎて父の半分もない。異種交配だし、その辺どうなってるのって思ったけど、そこら辺はインストールされた知識の中にはなかった。お子ちゃまにはまだ早いってこと?
お兄ちゃんはパパと同じフェンリル。聖獣の子供はみんなそっちの種になるのかな?名前はロムウェル。パパといい勝負っていうくらい大きなフェンリルで、リルリアっていう兎獣人のお嫁さんがいるらしい。お兄ちゃんが次の王様になるみたいで、『継承者の証』っていうのが手の甲にあるらしい。まだ会ったことないからあったら見せてもらおっと。お兄ちゃんが千歳になったら王様の座を渡して隠居するみたい。
それで最後が私。今世の名前はライラ。パパやお兄ちゃんと同じ白銀の髪(体毛?)にママと同じターコイズブルーの瞳(お兄ちゃんはパパと同じ菫色だよ)で、遺伝子が優勝してるからかなりの美人さん。まだ人間の姿にはなれないけど、今の時点で美フェンリルだからね!パパもお兄ちゃんも運命の番を見つけてるから、私も会えるかな…?前世の私は仕事にかまけて恋愛なんてしたことなかったから、今世では恋愛できるといいな。運命の番っていうのは、魂と魂が惹かれ合う存在のことで、自分の半身的存在らしい。これはインストールされた知識にあったよ。でも、全てのことがインストールされてるわけじゃないみたいだから、成長とともに学んでけって言う感じかな?とりあえず、前世は仕事ばっかりだったし、今世は恋愛とか旅行とかして、のんびりまったり家族と暮らしていきたいな!
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