しらゆき

堕なの。

知らなかった

 白雪姫の継母に思いを馳せる。王は彼女を愛さなかった。城の中に味方も居なさそうである。そんな中、唯一の胸を張れる美しさすら否定されてしまっては、王との子である白雪姫に越されてしまっては、どんな喪失感を負ったのだろうか。嫌われるために描かれるヴィランにもその背景があるのだと、私たちは度々忘れてしまう。

 そうして、優しい白雪ちゃんは壊れてしまった。自分を虐めた相手にすら心を砕いてしまう彼女は、自分がクラスに戻ったときに虐めっ子が逆に虐められていてどう思っただろうか。自分が虐められていると親に言わなければ、とでも思ったのだろうか。虐めた方が悪いんだよ。君が可愛くて虐めたんだって。そんな奴には何も思わなくてもいいんだよ。

 例えその相手の家族が芸能一家で、コンプレックスを負っていたとしても。家では殆ど無視同然で誰も話してくれないような存在だとしても。今回のことで、成人したら離縁すると宣言されていたとしても。悪いのは虐めた人なんだから。


 ところで私は何で動けないんだっけ。ああ、思い出した。窓から突き落とされたんだ。虐めっ子だった頃の取り巻きたちに。これじゃあまた白雪ちゃんが心を痛めちゃうよ。

「ごめんね、しらゆきちゃ」

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しらゆき 堕なの。 @danano

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