第48話 ★

「いや、やっぱまずくないですか?」

「何故です?」


「何故って……」

「フェリスのことですか?」

トヨワさんは意地悪に微笑む。


「ちょ!!」

耳元に口を近づけてくる。

「フフフ……」

吐息がかかる。

くすぐったいのだ。


「あらあら?」

ま、まずい。

言葉とは裏腹に大きくなってきている。


「あらあらあら?」

トヨワさんは、俺のブツを見ながら挑発的に微笑む。

「………………」


「勇者様?」

「な、なんですか?」


トヨワさんはしゃがみ込むと、俺のブツの前まで顔を近づけてくる。

「あらあらあら?」

「は、恥ずかしいです……」


「それは失礼しました。私も脱ぐべきですね」

いや、そうは言ってないんだが。


!!


爆乳……

しかし、見ることはできない。

だが、謎の黒いモヤも大きいのだ。

そのことからも爆乳具合が伝わる。


「フェリスも私と勇者様がここへくることを知っています。

 あの子も分かっているんですよ」

「いや、別にそういうわけじゃ……」

ただ、謎に後ろめたいんだよな。


「それに、勇者様だってこれを用意してくださったじゃありませんか?」

「それは、剣兵の作成に必要ですので……」

これ、というのはレベル2のパンツとブラのことだ。

全て揃え、さらにトヨワさんに協力してもらうことで剣兵が作成できる。

ちなみに魂を7000も消費している。


必要経費……

仕方ないのだ……


そうだ!!

これは剣兵作成に必要な行為なのだ!!


俺は開き直る。


「そうですね!!

 剣兵の作成にはトヨワさんの協力が必要なのです。

 では、この下着に着替えてください」

「ウフフ、お覚悟を決めたようですね……」


「ふぅー……」

トヨワさんは微笑むと、俺のブツに息を吹きかけてくる。

「ちょ……待って……」


「はぁい……」

トヨワさんは返事をすると、レベル2の下着に着替える

あっぶえねぇ。

あの吐息はやばい。

何か特別なスキルがあるのか?


!!


レベル2の下着は、中央上部に小さなリボン、サイドにヒラヒラした布がついている。

正直、妖艶なトヨワさんとは対局で、可愛らしいデザインだ。


し、しかし、そのアンバランスが逆にいい。


「それでは、思う存分鑑賞してください……」

「は、はい!!」

何故か大きな声で返事をしてしまった。


□□□


残りの魂は8518ある。

使い道は決まった。


『魂兵保管室』だ。

さっき剣兵を作成したことで、魂兵保管室の容量がいっぱいになった。

現在回復中の魂兵を含めると合計が20体だ。


今回のスクシン村への遠征でも、魂兵が非常に役に立った。

というより、魂兵がいなければ移動は困難だっただろう。

メージス兵がいつ来るかわからないし、スクシン村周辺の警備に魂兵は常駐させておきたい。

俺は台座をタップする。


魂兵保管室 Lv3 : 5000


俺は『魂兵保管室』へ移動する。

魔法陣が増えているな。

えっと……40か。

40体揃えたら、かなりの戦力になるだろう。


よし、あとは『剣兵』の強さを確認しておこう。


「こっちに来てくれ」

「ホ!!」

俺は魂兵を『訓練室』に連れて行く。


木の剣を魂兵に渡す。

「よし、打ち込んできてくれ」

「ホホー!!」


カカカッ!!


おぉ!!


確かに剣筋が速く、強いな。

おそらく剣なしでも一般兵レベル2より強い。

基礎的な能力が全て底上げされていて、剣の扱いもできるって感じだ。

レベルアップもあるし、かなり期待できるぞ。


一度スクシン村に戻るべきだな。

帰還魔法陣でも魂は消費してしまうが、食料を持っていき、みんなを安心させるべきだろう。

そして、魂兵の回復とレベルアップをしたままで移動だな。

時間がかかるものはできるだけ済ませて出発したい。


ちなみに剣兵のレベルアップは12時間が必要だった。

魔法兵の48時間に比べればかなり短いが、それでも一般兵の倍だ。

あとは、槍兵も作成可能だが、槍の作成はできないからな。

作成しても槍をすぐに使うことはできない。


よし、スクシン村に戻ろう!!


けど……その前に……


「あの、剣兵をもう一体作成していきましょう」

「あらあら……」

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