たった1人のお友達

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たった1人のお友達

「HappyHalloween! 僕は、お菓子より……人間が驚く叫び声が聴きたいな…。今日は、何人来るかな?」


僕は、この古びたお城に1人で住んでいる。

他のおばけ達は、新しい家に行ってしまった。

一人ぼっちで毎日退屈で、寂しい……。


でもね!

ハロウィンの日は、このお城にたくさん子供達が来るんだ!

だから、今日は楽しみにしてるんだ!


ほら噂をしてたら人が来た。


(扉が開く、子供の声)


「ふふふっ。みんな怖がってる。よーし!驚かせてやろう!」


絵画を揺らしてみたり、階段を降りる音を出してみたり、シャンデリアを落としてみた。


(きゃー!叫び声、逃げる音)


「狙い通りだ!あはは!あんなに叫んでる!僕の勝ちだ!ん?あの女の子何で逃げないんだ?それに、ずっと僕を見てる……。なんだか、気になる。」


女の子の近くに行くと話しかけてきて、びっくりして隠れてしまった。


「僕が見える?人間が?まさか……。でも、もっと話してみたい。」


また近付いてみると、女の子は古びたピアノの近くに行き演奏を始めた。


(音楽)


「この音楽…聴いたことがある。そうだ!マリアが弾いてくれた曲だ。でも何でこんなに…懐かしく聴こえるんだ?」


女の子をじーと見つめていると、昔大好きだった友達のマリアの姿が、ちらつかせてきた。


「君は…マリアの…。そうか、娘…なんだね。マリアはもう死んでしまったんだね。」


女の子はポケットから懐中時計を取り出し、僕に渡してきた。


「これは、マリアが身に付けていた物だ。僕にくれるの?」


女の子は首を縦に降った。


「ありがとう…。マリア…。これでいつも君を感じられるよ。」


涙の滴が、1粒床に落ちた。

すると……。


辺り1面に白い薔薇が咲き誇った。


「マリアの大好きな薔薇だ。」


女の子は大きな白い薔薇に包み込まれた。

急に光出し、薔薇の花びらが開いた。


そこには……マリアの姿があった。


「マリア?えっ!でも、さっきの女の子は?」


ハロウィンの強い魔法で、一時的に姿が変われたと言う。

そして、僕に会いたかったそう言ってくれた。


「ありがとう…。もう一度マリアに会えて良かった。マリアは、一人ぼっちなのかい?そうか、僕と一緒だ。ねぇマリア……僕と一緒にお空へ行ってくれる?マリアが居ないと、やっぱりダメみたいなんだ。だから…。」


マリアは僕の手を握り、お空へ飛んでくれた。


「同じ気持ちで良かった。マリア…お空に行ったら、かくれんぼの続きしようね?僕ばっかり、鬼だったんだから、次はマリアが鬼だからね?それと、もう1人にしないでね?寂しかったんだから。」


マリアは優しく微笑んで優しく頭を撫でてくれた。


今日とゆう日は、最高のハロウィンだ!


親友とこのままずっと一緒に居られる……。

僕の夢を叶えてくれてありがとう。

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たった1人のお友達 ao @kirapika0625

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