44.彼氏と彼女

「兆が一……」

「言い直してんじゃねー!!」


 世界の女の人口、何人いると思ってんだ!!

 俺も知らないけど!!


「えーと、もし女子が告ってきたら? そりゃーお前、俺はどんな女にでも優しいからな! オタクでも広い心で受け止めてやるよ!」

「……そう……か……」


 俯いて、口の端で笑おうと頑張っている、ヨシトシ。


 ……なんだ?

 すげぇ……


 罪  悪  感  。


「ま、まぁでもあれだな! 俺には彼女が山ほどいっから、その中に彼氏がいてもたまには良いかもな!!」


 な、何言ってんだ、俺ぇええええ!?


「太郎……」


 潤んでいるヨシトシの瞳……


「不誠実は良くない」


 説教食らっちゃったよ!!?


「でもそれも良いかもな……」


 どっちだよ!!

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