35.認めねー

 学校が終わって、ヨシトシと一緒に校門を出ようとすると。


「危ないっ!!」


 うわ、サッカーボール!?

 俺の顔を目掛けて──


 バシンッ!!


「大丈夫か、太郎!!」


 ん? 痛くねぇ。

 目の前には、マジな顔したヨシトシの姿。


 庇って、くれたのか?


「すみませーん! 大丈夫ですか?!」

「大丈夫だ。だが気をつけろ」


 サッカーボールを蹴り返しているその動きが、どこかぎこちない。


「ヨシトシ、どっか当たったのか?」

「気にするな。太郎が無事ならばそれで良い」


 ヨシトシ……


 きゅん。



 …………




 キュン!?




 ぜってー認めねーかんな!! 俺は!!

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