18.タイムトラベル

「なぁなぁ。ヨシトシって、何でたまに武士みたいな喋り方になるんだ?」


 ふと浮かんだ疑問を述べてみると、ヨシトシはいつもの真面目顔に神妙さを乗せた。


「聞きたいか」

「あ、うん、まぁ……でも嫌なら無理矢理には」

「俺は、戦国時代より時を超えてきたのだ」

「嘘つけ、バカにしてんじゃねーよ!!」


 時を超えて来ただぁ? 今時、幼稚園児でもそんな事は出来ないって分かってるぜ!


「馬鹿になどしていない。俺の本当の名は、武者小路右近ノ助うこんのすけ義俊。幼名は賢王丸。信じてもらえんかもしれんが、元服直後の初めての合戦の最中、光に包まれて気がついたらこの時代にいた」


 え、こんなにさらさら言えるって事は……マジなのか?

 確かに五右衛門風呂しか知らなかったのは本当みたいだ。それに今時、携帯電話の電波が通じねえ場所なんかあるのか?


「か、過去の時代から来たって証拠はあんのかよ!」

「残念ながら無い。が、過去の方が衆道は生きやすい時代だった」


 衆道って……え、ホモって事?!


「な、何かお前も大変だな……」

「嘘だ」


 え、どれが???

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