05.そして家
「じゃー俺ん家ここだから。サンキューな、二人とも」
「じゃあね、太郎。ゆっくり休んで! 武者小路くん、ありがとう」
「いや……また明日、学校でな。二人とも」
そう言って扉を閉めて、三時間後。
ピンポンとうちのチャイムが鳴った。
「はーい」
ガチャっと扉を開けたそこには。
「何してんだよ、ヨシトシ」
「道に迷って帰れない……」
無表情で涙をダバダバと流す、ヨシトシの姿があった。
そういや、転校してきたばっかだったな、コイツ。
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