第49話 VS ドラゴンの牙


エレベータをおりると5人の男が立っていた。


そしてその中央にはドラゴンの刺青を上半身に入れた男がいた。


「なんだ、そいつは!」


「いや、ちょっと揉めまして……連れて」


「ハァ~なんで此処まで連れてきたわけ?」


「いや、LOVEで揉めまして……」


「揉めましてじゃなくて、なんでそこで殺さないのかな?」


「返り討ちに……」


一生懸命言い訳をしているけど、俺はこれ聞いていないといけないのか?


「はぁ~役立たずが! それでお前は舐めているのか? 此処までついて来るなんて! 無事に帰れるなんて思うなよ!」


筋肉隆々で筋肉質。


竜の刺青が入っていて偉そうだから、此奴がドラゴンの牙の頭か?


「あのさぁ、お前がここの責任者か?」


「それがどうし……えっ」


わざわざ、雑魚の話を聞く必要は無い。


腹がたったので軽く爪で腹を引っ掻いた。


「うわぁぁぁぁーーっ。痛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーー」


「腹をしっかり抑えておかないと腸が飛び出て死ぬからな!」


そう言いながら俺は男の顔を殴った。


「お前、こんな事してタダですむと、ハァハァ思うなよ。殺すからな!」


「あのさぁ、死にかけの奴に言われてもな! 俺が腹パンでも入れたらその瞬間、お前は死ぬんだからな! そういう事は相手より立場が上になってから言えよ」


「お前等……こいつを殺せ」


はぁ~ようやくか……


「あのさぁ、死にかけの奴の命令聞いて……死にたいのか? いや寧ろそいつ腹パン一発で死ぬんだから殺した方が良くないか?」


「「「「「「……」」」」」」


どうやら、どうして良いか迷っているようだ……


「お前、闇医者に伝手はあるか? あるなら今すぐ行け! 早くいかないと死ぬぞ! 」


「……ハァハァ行って良いのか?」


「死にたくないなら行けよ!」


男は腹を抑えながら、ヨレヨレとエレベータの方へ歩いていった。


「さてと、お前等どうする?」


「お前、この人数相手に……ぎゃぁぁぁぁぁーー」


雑魚の脅しを聞区必要は無い。


指を男の左目に突っ込み、そのまま引きずりだした。


バンパイアやインキュバスの力が夜になり増してきたのか、より残酷になってきた。


目玉を飴の要領で口に含んだが……不味い。


やはり、血は女の血の方が美味しい。


「なんだ、この目玉不味いな……ぺっ!」


「ぎゃぁぁぁぁぁーー痛てーよ!」


目を抉った男が転げまわっていた。


他の男が俺を化け物を見る目で見ている。


「それで、お前等も俺とヤル? 俺が気にくわないって奴がいたら、仲間を集めて襲い掛かって来ても良いよ! 勿論、下の階の奴らも呼んで来てもいい……俺を気にくわない! そう言う奴が居なくなるまでひたすら俺が相手してやるから」


「痛ぇぇぇぇぇーー」


「お前煩いよ! 闇医者に行け。闇医者に! 警察には駆け込むなよ……駆け込んだら、お前だけじゃ無くお前の大切な奴まで皆殺しだからな」


「ハァハァ……言わねーよ、痛てぇぇ」


そう言いながら去っていった。


「さて、残りの奴はどうするんだ?」


俺は中央にある立派なソファーに座り、返事を待った。


◆◆◆


結局、残りの男達が出て行き、下の階から仲間を引き連れて俺に襲い掛かってきた。


人数は……面倒くさいから数えて無かったが60人位は居るだろう。


今この場所は血の惨状となり、その殆どの者が血だらけになり、横たわっている。


ハァハァハァ~不味い。


バンパイアにも嗜好があるのか、血だらけの男達を見ても、俺は血を吸いたいとは思わなかった。


「……化け物だ」


「……助けて」


死なない程度には気をつけてはいた。


さてどうするか?


最初竜の刺青をした奴の傍にいた偉そうにしていた奴だけを残し……解放してやる事にした。


「お前等、此処を去った方が良い! もしこのまま居るなら殺すから……死にたくないなら、生きていたいなら死ぬ気で逃げるんだな! 追いかけないから俺の気分が変わる前に逃げた方が良いぞ」


そう、殺気をこめて叫んだ。


死にたくないからから、全員がよろよろと起き上がり、まるでゾンビかグールのように、ある者はエレベーターの方へ、ある者は階段から転げるように去っていった。







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