第2話 列車

今、僕は目的地に向かって、列車に乗っている。

地元駅から、乗り継いで数時間。


あたりはすっかり田舎だ。


今、向かう場所は遠く離れた港町。

漁業が盛んだ。


もう、何年前になるのだろう?

一か月ほど、その町で生活をしていた。


母の旧友が、この町で生活をしていて、田舎生活に憧れていた僕は、お世話になることにした。


手紙をくれた女の子は、そこの一人娘さんだ。

今は、弟が妹がいるかもしれないが、手紙には書かれていなかった。


「そろそろかな」


懐かしい景色が、広がってくる。

そう、あの頃と変わらない懐かしい景色だ。


変わらない。

そう、変わらない・・・


心の中で叫んだ。


『少しくらいは、変われ!』

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