第25話 最後のラスボス
田上がそう言うと、湯川は安心したのか、フーっとため息をついた。
で、次に、小型のテスター状の機械を、机の中から持ち出して来た。
「湯川、それは一体、何だ?何の機械だ?」
「つい最近、アメリカの超有名大学で開発されたばかりの、「脳波感知型嘘発見器」なのだよ。
田上は、心理学専攻だから、ここらへんは得意分野でもあるだろうが、今までの嘘発見器は、心拍数、血圧、皮膚電気抵抗値との微妙な変化を感じとって、嘘か本当かを、判断するよなあ……。
ホンの少しの、心の動揺を、機械が感知する仕組みなのだ。
しかし、この方法では、狂信的や確信犯的に嘘を付いている人間は、見破れないと言う、絶対的な欠点があったのだ。
狂信犯や確信犯なら、嘘を付いていたとしても、心の乱れは全く起きないからなあ……。
だから、従来の嘘発見器は、この場合、全く役に立たないのだ。
だがな、この最新型の「脳波感知型嘘発見器」は、ほぼ100%の確率で、嘘か本当か分かるのだよ」
「湯川よ、そこまで、この私を、信用出来ないのかい?」
「イヤ、田上を疑っている訳では決して無いが、仮にだ。
嘘を付いて入会して、『黙示録の会』の内側から、内部崩壊を図られたら、この俺も、この回りの皆も、奥さんの優子さんも、当然お前も、全て、皆殺しにあってしまうのだ。
これだけは、冷徹な、どうしても避けられない事実なのだよ。
だから、少々、気分は、悪いかも知れないが、このテストだけは、パスして貰いたいのだ。お互いの、命の安全のためにもね……」
湯川がここまで怖がるとは、相当の超大物が、必ずバックにいる筈だ。
フト、ある人物が、頭に浮かんだものの、まさかねえ……。自分で考え出したものの、即、その考えを打ち消した。
まさか、あの人物が?まさかねえ……。
んな、馬鹿な?それは、単なる私の妄想だろう……。
「うん、オッケーだ。田上は、嘘を付いていない事が証明された。この機械は、理論的には100%の確率で、嘘か本当かを、見分けるからなあ。
これで、また、優子さんとの普通の夫婦生活にも戻れるじゃないか。良かった、良かった、良かった」
「しかし、湯川よ、廊下の外で待っている筈の、5人のFBI捜査官は、では、どうするのだ?」
「気の毒だが、全員、既に、本国から強制帰国の命令が既に来ている筈だ。最早、一人もいないよ。ドアを開けて、確認してみろよ」
「うーん、FBI捜査官まで簡単に動かせる人物が、『黙示録の会』のバックにいるとは、これは、相当な大物だな」と、田上はうめいた。
先程の、妄想も、もしかしたら当たっているのかも、である。
しかし、田上自身、そこまでの確信を持てなかった。
あまりに、ぶっ飛んだ考えだったからだ。
だが、ここで、一応は、正式に『黙示録の会』の入会が決まったのである。
本当のバック、その大物とは、誰なのか聞いても、キット、そうそう文句は言われないだろう。
思い切って、田上は、聞いてみる事にした。
「湯川よ、その大物とは、もしかして、現在の、アメリカ大統領の共和党のドルトン・ジョーカー大統領では無いのかね?」
これに対して、湯川は、思いがけも無い事を口走ったのだ。
「確かに、今回の、数々の大きな命令を出しているのは、田上の推測通りなのだ。
しかし、この問題は、単にそれだけでは無いのだよ。
「アカシック・レコード計画」の第二ステージが本格的に動き出せば、アメリカの大統領も当然、その対象になるだろう。
しかも、この共和党のドルトン・ジョーカー大統領は、「アカシック・レコード計画」には、全く反対はしていない。
むしろ、一番の積極的推進派なんだよ。
だが、ドルトン・ジョーカー大統領には、まだ、「人工男根」は、埋め込まれていないが。これからなんだよ。
だから、FBIやCIAの長官の、首のすげ替えも即座にやってのけた。
あの、自家用ジェット機の爆発事故も、二人の、天才に言われての自作自演だったと思えば、実に簡単な、話だろうが……。
第二ステージの遂行は、先程の、自家用ジェット機の爆破が、そのスタートの合図でもある。
だがよ、田上よ、この問題は、全人類の全てを根本的に変える一大計画なのだ。
それは、田上も理解できるよな?
お前が思っているよりも、もっともっと、超巨大なんだよ」
「アメリカ大統領よりも、更なる大物とは、これ如何に?
しかし、まるで、これじゃ、禅問答に近いなあ……」
「ああ、これは、もはや、一般人の常識を越えている。
この「アカシック・レコード計画」の計画は、既に、数十年前から、考えられ来たものなのだ。
以前、大神博士が、内縁の妻と服毒自殺してしまったろう。
田上も、よく、覚えているだろう筈だ。
では、その原因は、田上は、理解できるかね?」
「うーん、多少はね。
これは、私なりの考えだが、大神博士が、周囲から、異常や変人がられても、あの「人工男根」の研究に拘ったのは、自分の一人娘の優子さんが、生まれた時に、既に、真性半陰陽だった事が、最も、大きな理由だったのだろう。
で、将来、自分の娘が、女性では無くて、男性になりたいと欲した時に、まだ当時、IPS細胞も発見されていなかった時代だったから、尚更その研究に没頭したのだよ、きっとね……。
つまり、大神博士は、自分の娘が、男性に、いつでもなれるように、あの「人工男根」の研究に着手した筈なのだ。
で、多分、実験途中で、路上生活者等をも使い、生きている人間をも使った実験も行ったものと、この私は考えている。地獄の生体実験をもだ。
それらしき、退行催眠の報告もあるのだからねえ。
しかし、結局の所、大神博士は、自分の考え以上の、とてつも無い計画、つまり「アカシック・レコード計画」による全人類のコンピュータ支配計画の、本当の実態を知り、絶望のあまり、自殺したものと考えているのだが、違うかね……」
「田上にしては、まあ、当たらずとも遠からずの推理だな。
で、田上が最も知りたがっている、その謎の超大物の人物も、既に、「人工男根」を自ら装着して、実際に使っているのだ。
あの爆死したとされる、二人の天才が、特に早くから目を付けて、猛烈に説得してきたから何だよ」
「それは、一体、誰なんだ?そんな大物とは?」
ここで、湯川は、実に不思議な表情をしたのである。
多分、その表情から、湯川は、その人物を知っている筈だ。
「一体、誰なんだ?既に、「人工男根」まで装着して、現職のアメリカ大統領をも動かしている人物とは?」
「それは、今のところは、勘弁させてくれ。
いずれ、必ず、田上には、真実を言う。
ともかく、田上よ。先ずは、「アカシック・レコード計画」の第二ステージのスタートが、先決だろう。
田上、そのお前の、人類史上初の体験談が、今後の計画の遂行に確実に活きて来る。
頼むから、これからは、完全極力してくれ。
先ずは、アメリカ本部との連絡だ。
この俺は、人類史上至高の存在の田上を、見方の引き込みに成功したと、『黙示録の会』の、残りの役員に報告しなければならない。
田上も、モタモタしていられないのだぞ。これから、世界中の指導者の説得に当たるのだからなあ……」
「湯川よ、俺は、外国語得意じゃ無いが……」
「そんなもの、自動翻訳機で簡単に乗り切れる。心配、ご無用だ。
田上、緊急の海外出張に備えて、パスポートの申請、職場への休職願い等、する事が山ほどあるだろう。
先ずは、一つ一つの解決する事だ。
こうして、湯川の的確な指示により、着々と、諸準備を進めて行く事にしたのだ。
その日の夜は久々に、絶世の美人の優子と抱き合った。
「良かったわ。私の夫のみが、反『黙示録の会』だったら、私は、この世にいる事が出来ないところだったのよ」
「じゃ、優子さんは、本物の謎の超大物が誰か知っているのか?」
「いえいえ、私は、組織の中では、下部の人間です。この私には、何も教えられていませんよ」
「では、優子さんは、あのコンピュータが、全人類を支配すると言う「アカシック・レコード計画」を、本心は、どう思っているのだ?」
「亡くなった父の無念さを思うとほんの少し残念よね。
でも、万一、その計画が本当に上手く行って、第三次世界大戦や、地球温暖化の問題等等が解決されるのは、それも有りなのでは……。
それに……」
「それに、一体、どうしたのだ?」
「だって、あなたとこうして、出会えたでしょう。
そして、こうやって、心と体も一体化にもなれたのよ。
さっきから、何回も何回も……凄く、タフよねえ。
これも、全て「人工男根」のおかげよね。
結局、私の亡き父は、いわゆる天才では無くて、単なるドンキホーテだったのかもね」
「栄光無き天才かあ。で、単なるドンキホーテの汚名を背負って亡くなってしまうとは、因果なものだなあ……」
「そうねえ……」と、遙か遠くを見つめる優子の顔には、かってのような、憂いは、もう、全く感じられ無かったのだ。
彼女は、完全な女性になった。あの真性半陰陽だった彼女がである。
それだけでも、この私の、存在価値は、あったのかも知れないのだ。
「よし、明日から、我々『黙示録の会』の活動に、全面的に協力するぞ。
何が何でも、第三次世界大戦を防ぐ事が、最大の課題だな。
後は、地球温暖化、新型ウイルスの出現の阻止、南北間の国家間の経済格差等、片付けるべき問題は山積だ。
コンピュータによる人類の適切なコントロールは、下手な神の出現よりも、効果がありそうだからね」
「そうよね。例え、全てが機械(AI)に支配される、ディストピア世界になったとしても、それでも、全面核戦争が起きるより、マシだもんね」
次の日、聞き慣れない言葉で、この私のスマホに電話があった。
自動翻訳機能をオンにして聞いてみると、アラブ方面の石油産出国の国王だったからだ。この国王の名前は、私も知っている。
この国王は、死んだ筈の、世界的コンピュータ会社のマッシュルーム社の現会長のハロ・ゲインと、世界的製薬会社のアップルパイ社のエドワード・アップルパイ現社長の、隠密の訪問を受け、この私に、「人工男根」の真偽を、直接に聞いてきたらしい。
私は、
「はい、分かりました。今から、実演してみせます」と答え、リモコンのスイッチを入れて見せた。
長さと、太さのみのスイッチを入れただけで、みるみる巨大化していく場面を、私のスマホから、リモートで、その国王に送ったのだ。
「オオ、ウタマロ!!!」との、先程の、国王の絶叫が聞こえて来る。
このようにして、私の、「アカシック・レコード計画」の第二ステージの作戦は、スタートして行ったのである。
これが、まず、最初のお客さんで、それから、約1ヶ月は、こう言う状態の連続だった。
湯川からも、連絡が、ちょくちょく入って来た。
「田上よ、既に、20人以上の外国の指導者の了解を貰えたぞ。
やはり、お前は、特別な存在なんだな。偉い、偉いぞ。さすがは、この俺が見込んだだけの事はある」
だが、ある日、トンデモ無い依頼が、この私に来たのである。
それは、南アフリカの某独裁国家の大統領からだった。
もともと、軍事独裁国家で、国際社会での評判も、すこぶる悪いのだ。
この国の大統領が言うには、自分の正妻が異常な性欲の持ち主で、国の政治は何とか持ちこたえているが、この正妻の性欲を、果たして、私の「人工男根」で治める事ができるのか、それが実現したら、この話に乗ると言うのだ。
これまでは、せいぜい、目の前での、実演のみや、その実演場面のリモート投稿だけで済んでいた。
しかし、今回の話は、その独裁者の大統領の正妻と、性行為を行うと言う話なのである。
これだけは、是非とも、妻の優子の了解を得なければならないのだ。
で、この話を、妻の優子に言うと、優子が怒りだした。あの優しい優子がである。
「何ですと。それって、体の良い浮気なんでしょ。
ここに、貴方の妻のこの私がいるのに、何故、貴方が、他の女性と行為しなければならないのよ。
湯川さんも、もう「人工男根」付けている筈よ。
湯川さんに、行ってもらえば……!!!」と、もうプンプンである。
「しかし、湯川は、「人工女性器」のほうの宣伝で忙しいので、この俺に、頼んで来たのだ。
湯川から言わせれば、アメリカ軍の特殊部隊員グリーンベレーの隊員20名も付けてくれるとまで言ってくれている。これを断る事は、非常に難しいのだよ。
しかし、あの独裁国家の大統領を上手く説得できれば、後は、コンピュータで、自在に制御出来るようになる。つまり南アフリカの軍事的な不安定さが、少しでも解消される事になるしなあ……」
「でも、あの国は、エボラ出血熱、ザイール出血熱、コンゴ出血熱の流行地でもあるのよ。
仮によ、仮に、浮気の件は、目をつむるとしても、これらの恐怖のウイルス病にどう対処する気なの?」
「そこは、世界的製薬会社のアップルパイ社が開発した、強力な抗ウイルス薬があるらしいのだ。これはまだ治験薬らしいが、何でも、インフルエンザぐらいなら、風邪より軽く治ると聞いているが……」
「それを聞いて安心したわ。でも、この私の、女心は納得できないわよ!!!」と、再び憤怒の表情をした。
しかし、優子が、これ程、怒る顔は見た事が無いのだ。
「ゴメン、ゴメン、この私も、見た事も無い女性との行為は、気が引けているんだが……」
「だったら、彼女、その大統領の正妻の写真、スマホで送って貰いなさい。この私が判断します」
「ああ、分かった。即、送ってもらうよ。しかし、まさかこのような事態に発展するとは思っても見なかったよ。どうせ、大した美人でもないだろうけどね」と、自分で自分を納得させた。
しかし、送られて来た画像を見て、私は、腰を抜かしかけた。
何と、妻の、優子とどちらが美人か、分からない程の美人だったからだ。
「あちゃー、これは、優子が納得しないかもなあ……」
そう諦めていた時である。その彼女の画像を見て、妻の優子は、急に、笑い出して言った。
「うん、相当以上な美人ね。これならOKね。
私は、別に、全く嫉妬していないわよ。
先程までの私は、全部、演技なの。
この、女性、徹底的にやっつけて来てよ。
あと、ウイルス病には、気を付けて、行ってらっしゃい」
「じゃ、さっきのは、演技だとも……」
「勿論よ。貴方は、湯川さんも言っていたように、この人類の至高の存在なのよ」
「相手を失神させるほど、「人工男根」を突っ込んで来なさい!!!」と、ポンと、私の、肩を叩いて送り出してくれた。
ニューヨークで、軍の特殊部隊員20名と合流し、アメリカの軍用機で、南アフリカの地に向かったのある。
その後の様子はどうだったかって?まあ、ここで書く事も無いだろう。
皆さんの想像の通りであった事だけは、ここに記しておこう。
こうして、約半年の間に、着々と、「人工男根」「人工女性器」の、装着が進んで行ったのだ。
何しろ、大した病院設備の無い国々には、大型の病院船や、大型の病院飛行機まで派遣して、装着手術を行って行ったのである。
第二ステージの計画は、着実に、進んで行ったのだ。
さて、このように、私や、湯川らの活躍は、超人的なものであった。
何しろ、まだまだ第二ステージの途中である。
これが、完了すれば、更なる、第三ステージが、待っているのいだ。これは、つまり各国を動かしている官僚や大会社への社長等への働きかけなのであう。まだまだ、道のりは遠いのだ。
ある日、私は、湯川にそれとなく聞いてみた。
「なあ、一体、誰がこの『黙示録の会』の最大のバックにいるんだ。そろそろ、教えてくれても良いんじゃないのかね?」
これに対して、湯川は、全く答え無かった。
しかし、私は、更に何度も何度も、聞いたのだ。
「だったら、世界最大の人口を誇る、次回のインドの大統領の説得に成功すれば、コッソリと言わない事も無いのだが?」
「今度は、インドの大統領か。これも、またまた難しいなあ。
あの国は、既に世界一の人口は誇るは、また、科学や医学の技術の発展は、今や世界トップクラス。しかも、それでいて、まだ古い宗教の慣習も残っている、非常に不思議な国なのだ。
特に、現在のインドの大統領は、
「我が国の人口は、約15億人もいる。核戦争で10億人死んでも、まだ5億人も残るからな、ワハハ……やるならやってみろよ」と、国連会議で演説するような人物だものなあ。この人物の説得は、今まででは最高難易度クラスだな」
これは、二人のあの死んだとされている天才達と共に、湯川とも、一緒に説得に行かないと、とても不可能だなあ……」
「ああ、田上の言う通りだ。
しかし、このインドの大統領の説得に成功すれば、この大統領を通じて、親交のある隣国のロシアにも、次には、中国・北朝鮮の指導者ら、難問もうまくクリアできるだろうがねえ。
ともかく、ロシア・中国・北朝鮮の、三大指導者が最終難問だな。
まあ、これは、最後の難問として、今はまず、考えずにおこう。これらの、三大国家の指導者を、説得するためにも、まずは、インド大統領の説得が、最大の課題だな。
ああ、真剣に考えたら、まるで、これは、こちらが、ノイローゼになる程だよな。
まあ、普通なら、ほとんど説得は不可能なのだろうが……。
しかし、今回のこのインド大統領の説得には、遂に、あの謎の超大物も、極秘で、動くと聞いている。
極秘情報だが、その謎の超大物も、「人工男根」の魅力に取り憑かれ、既に、極秘で、何人かの若い女性と関係しているとか、いないとか……。
勿論、あくまで、噂話の域を出ないのだがね。
ともかくもだ、あの人物自身が「人工男根」も既に、装着して、実際に若い女性とやりまくっているとの、噂もそうそう、嘘でも無さそうなのだ。
実際に、若い女性を、部屋に連れ込む場面を見た人もいると聞く。
だから、キットうまく説得できるだろうよ」
「湯川よ、その謎の超大物人物とは、結局、一体、誰なのだ?」
「田川よ、先ずは、このインド大統領の、「人工男根」装着が、最大の問題なんだよ。
これが、アメリカの、現ドルトン・ジョーカー大統領は、自分自身から、「人工男根」を装着したいと言ってくれているのだがなあ……。
果たして、このインドの大統領は、どう言う反応をするのかだな?」
「まあ、当たって砕けろだ。
ただ、この私に、一つのアイデアがある。
それは、この前、南アフリカの例の独裁国家の正妻を、あの「人工男根」で、失神させた画像が、私のスマホにシッカリ残っている。
あの画像を、見せれば、意外とコロリと行くかもなあ……」
「田上よ、あの画像は、この俺も見させてもらったが、確かに、あの画像は、下手なエロビデオを遙かに超えていた。
よくもまあ、あの美人の奥さんの優子さんに殺されなかったものだな?」
「確かに。よし決めた、今回の作戦は、あの録画画面を主に使って挑戦してみようぜ」
こうして、ありとあらゆる手練手管を利用して、遂に、インド大統領の「人工男根」の装着の説得に、成功したのだ。
もう、ここでこそ、謎の超大物の人物名を聞いても、良いだろうよ。
で、湯川に、再度、質問してみたのだ。
遂に、湯川が根負けしたような、顔で、ポツリと言った。
「世界一小さな国のトップだよ」
「えっ!!!」、田上は、初めて、その超大物の存在を知ったのである。
「では、ま、まさか、ローマ教皇なのか?」
これに対して、湯川は、一切の否定も肯定もしなかったのである。
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