青春ラブコメしたいだけなのに高嶺の花さん達が全力で邪魔してきます泣。
諸星晃
プロローグ・青春ラブコメ万歳!!!
「って、やっぱ最高だよなぁ!青春ラブコメってやつは!!」
と、俺は雄叫びを上げながら春休みのある日の深夜にノートを書き殴っていた。
アニメや漫画、それにラノベに映画とドラマ。
その中で描かれる誰もが一度は夢見るような甘酸っぱくて尊い青春の日々を俺だって送ってみたいよ、それはもう本当に!!
例えばだけど。
ひょんなことから普段は全く話さないような美少女クラスメイトと仲良くなったり。
子供の時からずっと一緒だった幼なじみがある日を境に急に俺のことを異性として意識しはじめちゃうとか。
あぁ、神よ、一度でいいからそんな理想の青春ラブコメを俺にも味合わせて.....
いや、でも努力しなきゃそんなの無理なんだけどね、うん。
ラノベとかでは陰キャな主人公が「学校一の美少女からある日突然好かれちゃいました」
とかあるけど、現実にはないじゃん泣?
俺個人としてもさ、可能であれば金髪美少女の転校生とまさかの隣の席同士になってそこから仲を深めていく〜的な理想はある。
けど、俺の隣の席は空いてないし、高校になったら転校生が来るとかまぁないわけで。
他の女の子達は続々とイケメン達に奪われていくし、学校中でイチャコラしてるとこ見るともうね、あれは拷問。
文化祭とか体育祭やらの学校行事でも常に空気扱い、加えてラブコメオタクだし。
もう高二に上がるってのに、まだ女子と話すことすらできてないんだから、まぁそんなアニメや漫画の中みたいな展開はそうそう起きないわけで。
しかぁああし!!!諦めるわけにはいかねえ。
俺に残された青春ラブコメできる期間は長くない。女子と話したことがなかろうが、クラスで浮いていようが関係ねえ!!
なので改めてここに書き記しておこう。
俺、花山奏司は、卒業までにアニメやラブコメラノベのような非現実的で、カースト上位であろうイケメン君達も羨むような青春ラブコメを実現させてみせると。
今は春休み、もうじき進級するから奮起するには最高のタイミングだ。
高校に入学した時期にも同じような目標を立てて、結局この一年何事もなくクラスの隅に一人でいた気もするが......
と!に!か!く!だ!!
俺は何度失敗しようと諦めん!!
例え女子にキモがられて灰色の高校生活を送ることになろうとも、陽キャどもに目をつけられてクラスからハブかれようとも。
俺は、絶対にこの計画を実現させてやる!!
と、啖呵を切るように書き捨て、俺は「青春ラブコメ補完計画」と表紙に記されたノートを閉じてベッドにダイブした。
待ってろよ青春ラブコメ。必ず手に入れてやるからな!!!
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