羽弦論
羽弦トリス
第1話馬鹿を忘れてはいけない
この言葉は、タモリさんの生みの親の赤塚不二夫さんのものだが、人間は馬鹿を忘れてはいけない。
どんなに偉くなっても、不遜な態度を取ってはいけないと考えている。
深い教養と知識、技術、地位がどれだけ上がっても馬鹿を忘れてはいけない。
漢字で「上」は、トの下に棒線がある、「下」はトの上に棒線がある。
これは、上の者は下の者の気持ちが分からないし、下の者は上の者の気持ちが分からないのだ!と、聴いた事がある。落語の「目黒の秋刀魚」であったか?
上から下になると、弱気になり心が折れるが、下から上になると、何か落ち着かなく心が萎縮してしまう。
人間はよく出来たモノだ。
人間の欲望は果てが無い。
どんな手を使おうとも、その欲を果たそうとする。
こんなヤツは、愚の骨頂である。
では、何がいい地位なのか?
生活はカツカツでも、何歳になってもブレない精神年齢を取ることだ。
社長だろうが、パートさんだろうが相手を尊重する人間になる事だ。
そうすると、自然に不遜な態度も、卑下する気持ちも起きない。
僕は、病気で人生のドン底に突き落とされた。
10年くらい、病気と薬の副作用に苦しみ、それが原因で仕事も続かなかったが、発症してから15年ぶりに良い職場に出会えた。
生活は苦しいが、心に余裕が出来た。何故なら、ドン底から見ると今の状態が遥か上の世界へ戻った気がするからだ。
シケモクを吸い、廃棄処分の弁当を中国人のバイト君からもらっていた時期もあった。
だって、月17000円の家賃も払えなかった事が続いた。
今は、最高にいい。
だが、僕は1人でこの社会復帰を果たした訳ではない。
家族、友達、色んな人のおかげ。
だから、夢は文章で何か働きたいと思っているが、それは遠い話し。
20日、若い人と酒を飲む。僕とオバサン友達が若い人の代金まで割り勘で支払う。
夢にも思わなかった事。
廃棄弁当食べてた僕が、後輩に酒をご馳走するなんて。
偉くはなりたくないが、人の痛みを知る人間になりたい。
それが、馬鹿を忘れてはいけないに繋がるのだ。
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