第45話 神の愛を拒む。

S県××市の田舎にある町──神犬町。

犬を神と崇めて大切にしてる町だ。

夜──町長──加藤愛の葬儀が行われている。

野良犬があたりをうろちょろして、フクロウが飛び交う。

広い墓地があり、そこには大きな穴。棺桶が入れられようとしている。

その周囲には参列者が集まっている。

加藤愛の母が泣きながら言った。

「この中に娘を殺したやつがいます」

参列者がざわめく。

ガラガラ。

愛の父がやって来て袋を放り投げる。

愛が袋を開けると、犬の死体がある。

参列者の一人が言った。

「罰当たりめ! 犬を殺すとは!」

母が言った。

「この犬が愛を殺したんです! 復讐されて当然です!」

誰かが嘆息した。

「神の手で天国へ行けるなら幸せなのに」

父が怒鳴る。

「神の愛などいらない! 娘の命が欲しい!」

数日後、野良犬の群れが村人を襲って食い殺した。


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