第39話 監視する子供たち

広い部屋。壁や天井は白く、床には赤い絨毯。

部屋の奥には豪華なテーブルと椅子があり、濃い緑色の元服を着た中年の男が座っている。

男──フリードリヒの前に少年二人と少女が立っている。

少女が言った。

「──以上が危険な政治思想を持っている人たちです」

フリードリヒは言った。

「よくやった。噂話を聴いて危険人物を私に教えるのが君たちの仕事だからな。私も噂を聴いた。──君たち三人の中にユダヤ人がいるらしい」

三人は動揺し出した。

小太りな少年が言った。

「どこでそんな噂を?」

眼鏡をかけた少年も言う。

「そんなこと、誰が──」

「まあ、いい。君たちもなにか聴いたら教えてくれ。私が浄化してやるから。用事は終わりだ」

三人は振り返って部屋のドアへ向かった。

パン! パン!

少女が倒れた。背中の右のあたりから血を流している。

「半分だけユダヤ人の血が流れてるようだから半分だけ浄化してあげよう」

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