第6話 動物列車

夜。

一面に広がる緑。そこに一本の線路があり、長い列車が走っている。

列車の中は、動物たちでぎゅうぎゅう詰めだ。

茶色を基調とした車内。

九官鳥と鶏が向かいあって座席に座っている。

奴隷にされた動物たちを輸送している

鶏が言った。

「朝になるとつい、大きい声で『コケコッコー!』と叫んじゃうんです。そのせいで怒られて、『次、叫んだらチキンにしてやるぞ!』と言われてしまいました」

九官鳥が言う。

「でも、目的地に着くのは明日の朝だろう? ──いや、我慢が出来るわけがないか。俺にいい考えがある」



「コケコッコー!」

朝、列車の座席で座っていた鶏が突然、立ち上がってそう叫んだ。

「コケコッコー!」

九官鳥も立ち上がって同じことをする。

大きな体の赤い鬼がやってきた。

「チキンにしてやるぞ! よこっちへ来い! 」

九官鳥が制止した。

「さっきの叫び声は鶏の声じゃないだろう! 誰かがふざけて真似したんだよ」

鬼はうーんと唸る。

「確かに違うな。あいつらか!」

翌日、列車の別の所にいた奴隷の人間がミンチにされた。

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