第14話
水浴びに満足したシロに廣谷は頭を撫でる。そして時計を確認してもうすぐ一日リセットが入る時間だと分かった。
「配信終わる。試しでやっただけだからな」
:終わるの?
:次いつやるの!?
「さあ。まる猫、配信終了」
コメントに軽い言葉を投げかけてからまる猫に言う。まる猫はコメントとも、シロの翻訳とも違う音声で『配信を終了しました。本日の視聴者、配信時間は』と配信時間と視聴者数を流した。
「『宣言。シロの体は乾く』シロ、帰ろうか」
「わふー!」
『帰るー!』
宣言でシロの体が乾いたのを確認してからシロに乗る。シロは嬉しそうに一声鳴いた。
そして軽くスキップのような走り方で来た道をシロは引き返す。その間廣谷はカードケースから小銭カードを取り出してみる。
元々沢山あった為そこまで減っておらず、これだとまだ小銭を集めに済む。と廣谷は思った。
そして12階の途中で殲滅したはずのモンスターが現れたのを見て、0時を超えたのだと廣谷は分かった。
銃を取り出しモンスターを撃ちながら逆走する。そして壁まで来てシロを子犬サイズにしてから、二人は部屋に戻った。
廣谷はベッドに飛び乗りスマホを取りだす。そしてタイツクを開くとトレンドに「ひろくん」「初配信」「シロ」と自分の事が書いてあった。
「トレンド入り初めてした……どういう反応が来てるだろうか」
それを眠気でぼんやりとした頭で一つ一つみながら廣谷は寝落ちした。
次に目を覚まし時計を見ると昼すぎになっており廣谷は欠伸をしながら起きた。
隣ではシロが寝ており廣谷はシロを触ってから風呂や着替えを済ませてご飯の準備を始めた。
そして出来たご飯を食べながら廣谷はスマホを見る。スマホには通知が来ており、通知を開くと無名であろう配信者からのコラボ配信の誘い。
『配信コラボしませんか? 貴方の配信を見て返信しました』
『コラボしません。一人で探索をしたいので』
『そこをなんとか……!』
『無理です。諦めてください』
そう返信してから廣谷はスマホを仕舞いご飯を食べきった。
「わん……」
『廣谷、おはよ……』
「おはよ。ご飯置いておくぞ」
起きてきたシロにご飯を置いて廣谷は小説を取り出し読み進めていく。
「わんっわん!」
『廣谷! 今日はどうする? 探索いく?』
「……うーん。今日は夜から行く。シロ、ゆっくり休んでろ」
「わん!」
『うん!』
探索ばかり行くと疲れが溜まる為廣谷は夜に行くことにした。そして積読していた小説を読み進めていく。
シロは最初はうろちょろとしていたが、暇になったのか廣谷の隣に寝転がり眠り出した。
それをちらりと廣谷は見て微笑んだ。そうして20時ぐらいまで廣谷は小説を読んだり、スマホで動画を見たりで暇を潰した。
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