第2話

 長い廊下を進むと階段がありそこを上りきる扉があった。


 彼が扉を開けると強い光がぼくの視界をさえぎる。


 太陽の光だ。


 強いその光は身体の表面を焦がし体温を上昇させる。


 扉の向こうには山が見えた。とても大きな山々がまわりを囲んでいるかのようにそびえ立っていた。彼女と共になだらかな斜面を下るとさっきのところは丘だったとわかる地下へ下りる扉はちょうど丘の頂上にありコンクリートの直方体に扉が付いているだけだった。


「わたしたちのお家はあそこの森の中にあります」


 指差した方角を見ると唐突に生い茂る木々の間から杏子色の屋根の先端が見えた。


「マスターはまたあそこでわたしと暮らすのです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る