トラウマの真実(4/8)
「なんだよー。それでさー? 君の父親って政治にどういう風に関わってるのー?」
「言ってしまえば、色々なところに取材しに行ったり、記事を作ったりして政治に関わってる」
「他はー?」
「それ以上でも、それ以下でもない」
「へえー。そうなんだー」
そして沈黙が流れた。
二時間後くらいだろうか、お父さんが帰ってきた。今日はいつもより早く終わったそう。(っていうか早く終わるだろうから奴らを待たせるという選択をしたのだが)
お父さんに事情を説明して、奴らがお父さんに会いたがっていたことも伝えた。そして向こうの提案で、みんなで公園に行って話そうとなった。――僕を除いて。
理由はお父さんに訊きたいことがあり、僕がいると少しばかり邪魔になるからだそうだ。しょうがなく僕は家で待つことにした。
僕が違和感を覚えたのはそれから一時間後だった。
まだお父さんが帰ってきていないことが、なんとなくおかしいように感じた。奴らもそんなに訊くことがあるのだろうか? 実際、何も目的が分からなかったのであるのかもしれないが、少し邪魔になっても、見に行く権利はあるだろう。
そう思って僕は立ち上がり、靴を履いて公園へ向かった。
僕は走って公園に行った。なんとなく嫌な予感がしたからだ。そしてそれが当たってしまった。
僕の父親は奴らによって――拘束されていた。
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