トラウマの真実(2/8)

「ふざけるな。あんたは僕らに利用されているということに気づいていないのか? この馬鹿が。早く会わせろ。いないなら帰ってくるまで家に入れろ。わかったな」

 口調が百八十度変わり、僕は些か混乱していたが、利用されているというのは予想通りだったみたいだと言うことを知り、なぜか安堵している自分がいた。(もしそうじゃなかったらあの態度が謎すぎるんだよな)

 しかし、ここまで攻められると命の危険が垣間見える領域に達しているのは確実だろう。奴にどんな目的があるのかは知らないが、従っておくのが吉だろう。……恐らく。

「ごめん。いいよ。家に入ってて」

 僕は諦めたような口調を意識して伝えた。家に入ったら目的を問い詰めようと思った。


 家に入ると、僕は話を切り出した。

「なあ、なんで僕の父親にそんなに会いたい?」

「それはねー? 君の父親ってすごい人で政治に関わってる人なんだよねー?」

 あの態度に戻ったことに対し、僕は吐き気がした。

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