第24話日常

 次の日の登校、朝からやはり距離をあけられてヒソヒソと話される様子。 

 

 六条が、西園寺が、と断片的に聞こえて来るけど、俺は知らないふりをする。 

 

 ぽかぽかと太陽の日を浴びていると、邪魔をする様に久我ころもがドカドかと教室に入ってきた。 

 

 「今度は何やったの?」 

 

 「なんの話?」 

 

 「とぼけないで!西園寺の話!西の大名家西園寺が六条の守護を宣言!東の綾小路と西の西園寺、砂漠の大国エル・ドラドも後ろ盾を表明して、源氏と浄家には六条に手をだすなって警告が届いたわ。御三家の家、天照家と月詠家も六条存続を支持、って話、でもさ一輝くんは源氏に宣戦布告したわけだよ。「もう俺達は上納金を払う一族じゃない!邪魔する奴は潰すんでよろしく!」って上から釘をさされても、源氏として他の5家が黙ってると思う?それに植松家の虎一がやられた動画だって信じる半分、疑う半分で完全にどっちが本当なんてコントロールできないんだよ。条家もそう、戦国から続く実力と血筋に無理に掛け合わせを続けてでも優秀である者を序列上位にねじ込んできた家柄だよ。一条がこのまま六条を許すなんて思えないよ」 

 

 おもえなかったらなんだよって言いそうになるのをぐっとこらえて、にこやかに話す。 

 

 「どーせ、他のやつらも虎一と大差ないんだろ?考えるだけ無駄だよ」 

 

 「あいつらは拳のレベル、所詮はまだ一流レベルだもの。でもわが久我家のあに様は超絶頂の武神ランクよ。もちろん一条の息子も武神ランク、自分達の上には干支十二神くらいだと思ってる人たちだよ。」 

 

 鬼神衆十王のセバスや魔王両面宿儺を取り込んんだ、鬼神衆別動隊羅刹の隊長の狂も絶境レベルの人間達である。 

 

 今の俺の武術レベルなら、亜神や半神、入神レベルの奴らが束になってかかってきても負けない、どのぐらいか?地球に天変地異を起こせるくらいには力がある。 

 

 地獄にいた時、修羅界の最強決定戦で地獄12天第七天に選ばれた事があるが、懐かしいものである。 

 

 地獄の12天?さぞ仲も悪いんだろうなぁとおもうだろう。 

 

 これが12天は戦う事も多かったが、仲も大変よかったのである。 

 

 同じレベルの同胞との殺し合いは、互いに楽しさと共感、仲間意識などを芽生えさせたのである。 

 

 まぁなんにせよ、この世界では戦いよりも、まずは治癒から始めなきゃいけない人間が多い。 

 

 それほどまでに手足の欠損している人間が目立つ、一般人にもこれだけ怪我跡や欠損なんかあるってことは、ダンジョン発生初期の混乱期が大変だった証拠でもある。 

 

 文武両道の学校とはいえ、その多くの事が武によっている学校天武館、武道場をつかっての個人錬などももちろんある。 

 

 対人、筋トレ、ダンジョン、独自の修練法など様々だが、お~い○○一緒に修練しようぜ~な~んて呼ばれる事もあるようで、俺もその一人だ。 

 

 「六条、一緒に修練しようぜ」 

 

 にたにたとして男子生徒数名が俺の席に近寄ってくる。 

 

 「嫌とは、いわねぇよなぁ、なんせあの植松虎一をぶっ飛ばした六条だもんな」 

 

 久我ころもが間にはいる。 

 

 「あんたたちやめなさいって」 

 

 「久我、お前らだってこけにされて正直むかつかねぇのかよ!」 

 

 「しかもただ痩せただけで、今じゃいい男扱いされてんだぞ!そいつ!」 

 

 「誰が六条の心配してんのよ!アンタたちの心配してんでしょうが!」 

 

 「俺達が六条に負けるっていうのかよ!」 

 

 「いいよ。手加減してやるし」 

 

 俺のこの一言でまた教室は静まり返る。 

 

 「おい・・・・六条・・・・・・てめぇ調子に乗ってんじゃね~ぞ、名家の後ろ盾がなきゃなんの力もねぇおめぇがこのまま天武館でいきていけるとおもうなよ」 

 

 「お前がクソデブだった頃から俺らは全員心底鍛えてんだ。ダンジョンに潜ってる奴だっている。もう後にはひけねぇよ」 

 

 「天武館は武の学園、勉強や他の技能では意味がない、強く無ければ人権すらなくなる学園だぜ?立場わきまえて動かねぇとこれからの学園生活地獄になるぞ」 

 

 「ああ、まぁ全員ぶっ飛ばせばいんだろ?俺を気に入られねぇって奴全員、一人残らず呼んで来い。まとめてぶちのめしてやっからよ」 

 

 「決まりだ。ちなみに一学年まるまる武術教練だからなぁ、相当な人数があつまるぜ」 

 

 「そいつはいい事聞いた。中には名のあるやつなんてのもいんだろ?」 

 

 「俺がなんで教えなきゃいけな」 

 

 「今殺すぞ」 

 

 ぎゅっと睨まれ、顔面が蒼白になり、恐怖心に飲み込まれる。 

 

 「久我家からは久我あまねと同じ年の、久我正一郎が、千手家からは千手まひろ、中院家からは中院健介、久世からは久世明、条家からは四条司と五条春樹がお前をぼこるからつれてこいって」 

 

 「発案者は?」 

 

 「一条ならく、メンバーにはいねぇけど一条奈落が発案者だ」 

 

 「おう、もういっていいぞ」 

 

 「ちっ」 

 

 青ざめながらも最後のプライドを振り絞って舌打ちしてきえていく奴ら、これを機に全員に一々てを出されない様に全員ぶちのめしてやるか、それにしても発案者の一条がいないってのがきになるな、実力を隠したいのか?下っ端で様子見したいのか?どうかはわからんが、卑怯な感じの奴だ。

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