ファイヤーボールを英語で言ったら最強になった
プリオケ爺
第1話 風魔法で無双する
「ファイヤー!ボォオオオオル!!!!!!」
少女の絶叫と共に巨大な火球が形成され撃ちだされる。
試射目標であるゴーレムに激突し、大爆発を起こした。
「リュシエンヌ君、見事な詠唱だ。さすがモルヴァン、大魔術師の家系だな」
詠唱・・・?
「フッ、たいしたことご「先生!!!詠唱て”ファイヤァアア!ボォオオオウル!!!”つってたヤツですか?!?!」」
やべ、優等生の発言遮っちまった。
先生が爺顔をㇺッと歪ませながら俺を見下ろす。
「導師と呼べ。・・・だが無知蒙昧なる平民は魔法語など耳にすることもなかったであろう、仕方あるまい。ファイヤーが火を指し、ボールが球を表しておるのだ」
魔法語www
「先生!ソレ魔法語じゃないっすよwww英語っすwwwwww魔法語てwwwwwwwwwww」
「ちょっと、なに言ってんのよ貴方。英語?どこの方言よそれ」
!!!!!!
「俺の前世にて全地球を征した英語が方言?!wwwww」
しかも金髪碧眼白人美少女がハキハキと日本語を正調発音でのたまってきて大草原さらに萌えあがり爆炎上wwwwwハラ裂けて死にそうwwwwwwwwwww
「この平民、処刑したほうが良くないです?」
「まぁ、ワシはともかく猿以下の知能にモルヴァン公家が愚弄されたとあっては最早是非もないのう・・・よし、この場にいる平民すべて処理せよ」
やヴぇえwwwwwww
「ちょっ、ちょっとまて!俺、魔法語知ってる!使えるから、使って見せますから今すぐ!!」
高卒だけど工業系で英語は中卒レベル以下だし単語や語彙なんかもゲームぽいのしかわからんけどいけるだろ、他の奴らはどうでもいいけど俺死にたくねえしwww
「見苦しい、あなたは私自らが黄泉へ送ってさしあげますわ!」
「待ちたまえ!伝統あるモルヴァンの筆おろ・・・初体験が糞まみれの平民というわけにはいかん。それに我らの慈悲にすがろうと泣きわめきながら最後の瞬間まで見苦しく踊り狂う痴態を鑑賞するのも貴族たる我々の責務では?導師」
「うむ、まぁよかろう。ホレ、やってみせい」
なんか先生と優等生女子の他にイケメンえらそうなヤツが来たけど、まあいいわ。
「じゃあ行きますよ。とりあえず無害な風の魔法を披露します」
深呼吸する。
つか、英語が魔法語て・・・マジでバカくさすぎて笑いがこみあげてくるのが地味に辛いww
「吹き抜ける風の魔法・・・パッシング!ウィンドォオオウ!!!!!!」
英語を叫んだ途端、身の内から激しいエネルギーが沸き起こり、それは大気を強烈に引き裂き、鳴動させた・・・
恐ろしく湿り気を帯びた稲妻のような爆音。
続いて一呼吸で咽るよりも早く気が遠くなるほどの脳に刺さる激臭の暴力がその場を地獄へと変貌させた。
「くっせええええ!!!!!!!!!!!!!」
「ぐわぁああ!目が、目がぁあああああ!!!!!!」
「ポイズンクラウドかっ?!プリースト、白魔導士!はやく解毒を!」
「この硫黄臭はサタン、悪魔召喚では?!?!」
俺は術士・・・発動の枢軸だからなのかまるで無害・・・まあくっせえ、くらいで済んでいるのだが・・・
「解せんッ!」
パッシングウィンドはたしかカーレースゲームで一番好きだったBGMだ。
きらめくような旋律が軽快に跳ねるべードラに乗っていつまでも聞き続けたい最高の一曲だった・・・それにパッシングはパスの進行形、ウィンドは風だったろ、おなら的イシューが皆目見当たらん。
やはり魔法語は違うのか?!
「なんなのですかコレはッ!」
俺の気持ちを余すことなく代弁してくれた金髪イケメン君は、だがしかし俺を激烈な涙目で睨みつけていたのだった。
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高卒だけど工業系で英語力は中卒以下うんぬん・・・・・・なぜ筆者の自己紹介を盛り込んでしまうのか。主人公の行動には作者の欲望が投影されるとよく言われますが学歴まで投影しなくてもいいんですよね?
2024/2/2
元ネタのセガゲーCD1のライナーが見つかって読んだら慣用句による術式起動ファンブル演出のセリフを間違えていたことが判明したので修正
パッシングブリーズ→そよかぜ
パッシングウィンド→おなら
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