エピローグ

私達が帰る前夜だった

ゲージの前に木霊達が並んでいる


なゃ? にゃん?

木霊達が放つ淡いオレンジの光が

リビングを浮かび上がらせる


ウニャ?

どうしたのにゃん…

ねぇにゃんが木霊に話しかける


行くのか? 帰ってしまうのか?

木霊の一人が恨めしそうに答えた


飼い主の家族が待っているのにゃん

私は木霊に答えた


ゴン様を忘れるな…オイラ達の事も…


木霊…大福も、イチゴ🍓も私の友だ

たくさん遊んでくれた…礼を言いに来たのだろう


寂しそうな眼差しのねぇにゃん…

また来るわよ! ねぇ、大福


そうにゃん…楽しかったにゃん

ありがとうにゃん…


これをやる…

光るどんぐりのチャーム…のようだ


ありがとうにゃん…


私達からは…


明日、また祠に来い

それでいい…


翌日…

私達は、朝早くに物書きとお婆さんに

祠ヘ行くように、ねだったんだ


おや? まぁまぁ…

物書きや、かわいいお客さん達が

山の祠に行きたいと…山の主様のお供えの側にいる

出立前に挨拶に行くよ


にゃん…チリリン


ん? 首輪にチャームなんてつけていたかな?


にゃん…チリリン


イチゴ🍓も…

二人とも、散歩してから家に帰ろうな


祠にお供えをして

物書きが山々を眺めた時

フワワン…ヒュウン…

と爽やかな風がふいた


チリリン…チリリン…

私の首輪につけていたチャーム…

どんぐりが、風に揺れた




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