十二単と野生児

明け方の騒動以来、野生児の弟は物書きの居候になった…寝る時だけだが

野生児の弟の部屋は明け方になるとガタゴトと物音がするようになった

呑気な親父と脳天気な母さんは

気のせいよ…遊んでばかりで…やるべき事をやりなさい

と話す

ん~~

と物書きは考え…やたらと野生児の弟の部屋に入れるようになった

ハッキリ言って、いるにゃん!

けどにゃ…哀しそうにゃん


だから、物書きの体によじ登り

ミャウミャウと囁いたんだ

大福、お香の香りがするね

弟は何を連れて来たんだろうな

物書きは大福を優しく撫でる


たまらんにゃ…思わず喉を鳴らす


一方、野生児の弟はモテ期が去ろうとしていた


物書きと野生児は双子で、そこそこの容姿だ

何故か物書きは男友達が多い…恋人はいるにゃん


野生児は男友達はそこそこ…異性の友達が多い

取っ替え引っ替えにデートをしてるのにゃん

ところが明け方の騒動以来、男友達ばかりと交流している…野生児曰く…女が怖い…そうだ

ある日、野生児が物書きに頼み事をした


兄貴…爺さんのところに行かないか?

大福を連れてさ…



いよいよ野生児の弟の部屋がにぎやかになり

昼夜を問うことなく騒がしくなった頃…

私は爺さん和尚のところにいた

ウンニャーン…母さんに甘えて、物書きと野生児を眺めていた

二人は座禅を組まされ、パッシン!…肩を叩かれる音が本堂に響く


仕方ないわにゃん…野生児のやる事はワイルドだにゃん

寺に来たのは3日前…物書きが連休を取れたので

野生児とやって来た



続きは今度にするにゃん…今は母さんに甘えたいにゃん!

待ってくれにゃん

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