【2023年12月2日】Web小説『キクナの怨』の第一話

 これは、私——ネット小説作家、清白キクナの遺言書です。

 最初に断っておきますが、〝ネット小説作家〟としての遺言書ではなく、れっきとした、一人の人間としての、本物の、遺言書です。

 本来ならば、遺言書というものは恐らく遺族——即ち、私の血縁者である家族にしか読む権利がないものなのでしょう。

 しかし、私がこれから書き綴る文章は、家族へ向けたものではありません。

 広義に解釈すれば、家族にも読んでもらいたいですが―――。

 この作品は、世間の皆様に――私以外の、一人でも多くの人間に、読んでもらいたいのです。

 いえ、聞いてほしいのです。

 私が最期に上げる断末魔の叫びとしての、

 悲鳴を、

 懺悔を、

 嘆きを、

 怒りを、

 絶望を、

 そして怨みを―――。

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