Welcome! HELL PARTY・5
◆ バビロニクス・ギルドルーム【スイート・ちびちゃんズの部屋】 ◆
『過去ログを呼び出します……』
『階層移動により、報酬が贈呈されます。経験値 2,400,000,000 獲得』
『レベル99に上昇しました。おめでとうございます! 上限に達しました!』
『ペルセウスがレベル99に上昇しました。上限に達しました!お祝いしましょう!』
『どん太がレベル38になりました』
『オーレリアがレベル16になりました』
『姫千代がレベル61になりました』
『フリオニールがレベル61になりました』
『レベル上限に達したことにより真覚醒クエストが開始されました』
『宝箱が出現します。2人少ないことによる人数ボーナスを加算。第三階層クリアボーナス加算。全てお持ち帰りください』
んふ……♡ レベル上限だって、そっかそっか……♡ 過去ログ呼び出して何が出てたのか確認しようと思ったけど、いやーそんなの見るよりこっちよ。こっち……。ミニティスお姉ちゃま様とミニカレンちゃん様……!!
『『『~~~♡♡♡』』』
『!!』
『~♪』
「んへ……♡」
「あーちゃん、現実を見て……。反省会を……」
「何も反省することはないよ……。まだね、無理なんだよ。無理なものは無理……」
「そうですね~……。あれは、無理ですねー」
『ネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー』
「ねーって、あれおにーちゃんでしょうが! なんとかしてよ!」
『(ヾノ・∀・`)』
『くぅ~~ん…… (あんなのむりだよう~……)』
無理なものは無理だし、あれは今挑むような相手じゃないよ。今までたまたま勝ててただけで、どうにもならないような相手ってのは存在するんだよ。う…………。嫌だ、思い出したくない……。辛い記憶に蓋をしておきたい……。ぐごごご……ふとした拍子に思い出させられる……!!!
◆ ◆ ◆
――――ヤバい、ヤバいとは思ってたけど怖いもの見たさで来た。来てしまった。だっておにーちゃんの埋葬せずに鎧奪った版でしょこれ? 見たいじゃん、見たかったんだもん……。
『転送完了。地獄パーティへようこそ!!!』
『返せ……。返せ……!!!』
『魔王フリオニール(Lv,????)が【魔光消滅波】を発動しました』
『フリオニールが消滅しました』
『どん太が消滅しました』
『ペルセウスが攻撃を無効化しました。ペネトレイト・2』
『オーレリアが【神出鬼没】を発動し、回避しました』
『姫千代が【水月】を発動し、回避しました』
『アビスウォーカー状態になりました。姫千代の影に移動しました』
初手、おにーちゃんとどん太が【消滅】で即死亡。ヤバいと思って瞬間移動した千代ちゃんリアちゃんが助かって、私が潜って移動で回避。ペルちゃんはペネトレイトのおかげで回避出来た。この攻撃はこの時点で直接攻撃8回分を含む範囲攻撃だってわかったね。わかった、ただ……それだけ。
『……動くな』
『魔王フリオニール(Lv,????)が【魔王の眼光】を発動、オーレリアが行動不能になりました』
『散れ!!!』
『魔王フリオニール(Lv,????)が【次元斬】を発動、オーレリアが【超即死】により戦闘不能になりました』
「っく!!!」
『姫千代が【牙突紫電】を発動し、魔王フリオニール(Lv,????)に3,500Kダメージを与えました』
「あぁっ……!?」
『捕まえたぞ……死ね!!!!』
『魔王フリオニール(Lv,????)が【処刑掴み】を発動、姫千代が【超即死】しました』
『アビスウォーカーが強制解除されました』
『そこに居たか』
あれよあれよと2人が戦闘不能……。【超即死】と【消滅】だと食いしばりも発動しないらしい。もうこの時点で敗戦濃厚、でもせめて一矢報いたいと思って攻勢に転じようと詠唱と共に魔術陣を出した瞬間。
「積み上げ――――」
『黙れ』
『魔王フリオニール(Lv,????)が【魔王の眼光】を発動、行動不能になりました』
『散れ!!!』
『魔王フリオニール(Lv,????)が【次元斬】を発動、【超即死】により戦闘不能になりました』
『フェニックスのお守りを使用しますか? 待機残り時間:30秒』
もうね、無理だなって思いましたね。ランク4クラスの状態異常をぽこぽこぽこぽこ出しすぎ、無理無理無理無理……。これはね、完全に専用対策が必要なボスです。本当にありがとうございました。
「はぁあああああ!!!!」
『大振り過ぎる。それに当たってやるほど優しくはない』
『ペルセウスがPPブレイク! 覚醒スキル【プリンセスクライシス】を発動しました!』
『魔王フリオニール(Lv,????)が【次元斬】を発動、ペルセウスのペネトレイトが消滅しました。【超即死】により戦闘不能になりました』
『フェニックスのお守りの使用を拒否しました』
『ペルセウスがギブアップを選択しました』
『パーティが全滅しました…………来賓室に転送されます』
私が唯一、攻略っていう文字すら浮かんでこないほどの超強敵でした。これはね、単純に対策不足と力量の差。どうしようもないよ、本当……。はあ~~~…………。
◆ ◆ ◆
「――――なーに自分に負けて嬉しがってるのおにーちゃんは!!!」
「いや、本当に、どうしようもないほどに強敵で御座いました……」
「悍ましいほどに強い相手を知る、いいきっかけになったと思うしかないですね!」
『ネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー』
「ねーじゃないの!」
『ヾ(*´∀`*)ノ』
『くぅ~~ん…… (鍛えたら、あんなに強くなれる?)』
『(*´ω`*)b!』
「っく……。鍛えよう、強くなろう、絶対リベンジする……!」
「そうですわね……。それで、真覚醒イベントは……」
あ、そうだ。真覚醒!
「はい、ペルちゃん用の真覚醒の証!」
「あら、二枚ありますの?」
「最後のヘルホエール号戦で出たよ。これを持って、バビロニクスのバビロンちゃんのところまで行くか、最寄りのバビロンちゃんの祭壇に貢物を捧げてお呼び出しすればクエスト進行するみたいだね!」
「ええ……。そこはちゃんと確認してましたのね……」
「うん。現実逃避してただけだから…………あああああ、バビロンちゃんがティスティスお姉ちゃまにおんぶしてもらってるぅぅぅぅぅううぅぅうおおぉぉぉおおおおおお!!!」
『『『!!!』』』
「あ、ごめんね、大きい声出しちゃったね、ごめんね……?」
『『『~~♡』』』
「ん゛っ゛……!!!」
「これは暫く、心の傷が癒えるまでちびちゃんズ鑑賞から抜け出てこられなそうですわね……あら、カレン様のお洋服は随分と可愛らしいものになっていますのね?」
「さっき詳細見たけど、よそ行きの格好だって! 超可愛いよね!」
「確かに、あの戦闘服のボディスーツでは……」
「それに対してティスティスお姉ちゃまの格好ね!! 降臨用の正装らしいよ!」
「正装……!?」
「ちっちゃいのに、おっきいです……!」
「…………眼福に御座いますね」
『(*´ω`*)』
『くぅ~ん…… (お腹へってないかな? 大丈夫かな?)』
ん、真覚醒は後で良いや。それよりちびちゃんズの皆が可愛いから……。それにしてもティスティスお姉ちゃまの面倒見の良さと、悪戯っ子感が凄い……。カレンちゃんの肩をぽんぽんっと叩いて振り向いた時に指で頬をぷにっとしたりして喜んだり、どこからともなく取り出したクッキーとかをコルダちゃんとかドレイクちゃんにあげたり、髪の毛にブラシを掛けてあげたり……。中までは見れないんだけどね、遊んで汚れた子をお風呂に連れて行ってあげたりもするんだよ! ミニ家具のミニバスルームセットも買って良かった~~!!
「ん…………♡ あ、置いてあるおやつがなくなりそう……」
「あら、ミニ冷蔵庫の中身が減ってますわ」
「どん太、これはちびちゃん達用にガトランタの露店で買ったローストビーフだから、食べちゃ駄目だからね?」
『わうっ! (わかった! 僕のは?)』
「…………お手」
『わっふ!!』
「おかわり」
『わっふ!!』
「待て」
『わうぅぅぅぅ…………』
皆よく食べるからね、私のアイテムインベントリは割りと食べ物だらけになっているんだよ、どん太くん。特に君のためのご飯がね、結構重いから困ったものなんだよ? ん~……。待てしてるけど、お口の周辺が待ってませんねえ微塵も……。よだれと舌がべろーんって出てきてるよどん太くん。ビッグチキンソテーと言う名の鳥の丸焼き、骨ごとバリバリ行くのが好きだもんね。本当のワンコにこれをあげたら駄目だけど、君はこれが大好きだもんね……。
「よし!!!」
『わうぅぅ~~~♡』
「バリバリ行ってますね……あ、私もお腹減っちゃいました」
「此方も、少々……」
『(*´ω`*)』
「皆の分もあるから、じゃあロビーで食べててくれるかな? 千代ちゃんのは倉庫に入れてたわ……これね」
「わっ!? 大きい!?」
『わうぅ!?』
「どん太はそれ食べなさい」
『くぅ~~ん……』
「もう一個あるから……」
『わうぅぅぅぅん♡♡♡ (やったぁああああああ!!!!!)』
はあ……。初の実戦全滅でガックリ来てたけど、今まで全滅したことが一度もなかった方が不思議なんだよね。そうだよね。上には上がいる、思い知ったよ……。超即死に、消滅対策かあ~……。どうすれば良いのか、見当もつかないね。
「……さて、ペルちゃん!!」
「あら! ええ、よくってよ……!」
「「鑑定タイム!」」
それじゃあ、長らくおまたせいたしました……。一階、二階、三階で出現した未鑑定品の嵐。鑑定していきましょう!! 虹の数なんと20点!! 黒? っていう謎の表記の奴、4点! 三階層で手に入った物は余りのショックの大きさに何が手に入ったか覚えてないのよ! 鑑定すればわかる、取り逃しはないから大丈夫!!
「それじゃ、皆で仲良くしてね?」
『~♡』
『~♪』
「ん゛っ゛……! 可愛い…………!!!」
「本当、可愛くて仕方ありませんわねえ……。じゃあ、お隣でやって行きましょう……」
「よし、始めよう!!」
名残惜しいけど、いつまでも居るわけにはいかない! ペルちゃんと一緒に遊べる時間は取れない時もあるんだから、一緒の時は一緒に居たいよね。たまに、私が没頭してて遊べない時があって申し訳ないけど……。
よし、切り替えていこう! いつまでも敗戦を引き摺っては駄目、次につなげよう! あんな惨敗でも得られる物はあった、今後の課題にしようね。まずは真覚醒クエストを熟して……。対策装備とか揃えてさ、もっともっと、更に強くなって! いずれまた挑ませて貰おう。そうしよう……。
覚 え て ろ よ 魔 王 フ リ オ ニ ー ル … … 。
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