53 雪遊び

彼は雪の日が大好きだった。

雪だるまを作ったり、雪合戦をしたり、雪の結晶を眺めたりするのが楽しみだった。でも、今年は雪が降らなかった。天気予報も雪の予報はなかった。彼はがっかりしていた。


ある日、彼は学校から帰ると、家の前に大きな箱が置いてあった。中には何が入っているのだろうと思って、箱を開けてみた。すると、そこには真っ白な雪がたくさん詰まっていた。雪だるまのパーツや雪玉も用意されていた。箱の中には手紙が一枚あった。


「雪の日が待ちきれない君へ。雪遊びを楽しんでね。サンタより」


彼は驚いて、喜んで、箱の中の雪で雪だるまを作った。雪玉で雪合戦もした。雪の結晶も見つけた。彼は幸せだった。


夕方になって、彼の友達が遊びに来た。彼は友達に雪だるまや雪玉を見せた。友達は不思議そうにした。


「どこで雪を手に入れたの?」


彼は箱を指さした。


「サンタさんからのプレゼントだよ」


友達は信じなかった。


「サンタさんなんていないよ。それに、今日は雪の日じゃないよ」


彼は笑った。


「サンタさんはいるよ。今日は雪の日だ」


彼は友達に手を差し出した。


「一緒に雪遊びしようよ」


友達は迷ったが、彼の手を取った。二人は箱の中の雪で遊んだ。雪だるまを作ったり、雪合戦をしたり、雪の結晶を眺めたりした。二人は幸せだった。


雪の日は、心に楽しい雪が降る日だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る