34 逆バレンタイン


彼は彼女にチョコレートを渡した。彼女は驚いて、喜んで受け取った。

彼は彼女に好きだと告白した。彼女は照れて、同じ気持ちだと答えた。

彼は彼女にキスをした。チョコを食べた彼女は甘い味がした。


「これ、手作りなの?」

「うん、手作りだよ」

「すごいね、どうやって作ったの?」


「実はね、これは僕の血液から作ったんだ」

「えっ?」

「だから、これを食べたら僕と一体になれるんだよ」


「…」

彼女はチョコレートを吐き出した。彼は笑って、冗談だと言った。

彼女は泣いて、逃げ出した。彼は呆然とした。


「本当に冗談なのに……」

彼はチョコレートの箱を開けた。中には赤い液体が入った小さなビンがあった。


「血液型診断キット…」


彼は自分の血液型を知らなかった。彼女に聞かれたときに、嘘をついてしまった。

それで、バレンタインの日に本当の血液型を教えるつもりだった。


「A型だよ……」

彼はビンを持って、彼女を追いかけた。

「待って、本当だよ!」

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