16 ピラミッドの真実
「これが最後のピラミッドね」
と、アリスは興奮しながら言った。
彼女はエジプトの考古学者で、長年にわたってピラミッドの謎を解き明かそうとしてきた。
彼女のチームは、最近発見された未開のピラミッドに入ろうとしていた。このピラミッドは、他のどのピラミッドよりも大きく、古く、そして複雑だった。
「どんな秘密が隠されているのかな?」
と、ジョンは尋ねた。
彼はアリスの助手で、彼女に恋をしていた。彼はアリスの情熱に感化されて、考古学を学び始めた。彼はアリスと一緒にこの歴史的な発見に立ち会いたかった。
「わからないけど、すぐに分かるよ」
と、アリスは笑顔で答えた。
彼女はピラミッドの入り口に近づき、扉を押した。すると、扉は重い音を立てて開いた。アリスとジョンは中に入り、懐中電灯をつけた。
「アリス、地図はあるの?」
「もちろん」
アリスは答える。
「このピラミッドはレーザーでスキャンしたから、内部の構造は分かってる。でも、注意しないとね。罠や落とし穴があるかもしれないから」
「大丈夫だよ」
と、ジョンは言った。
「君がいれば何も怖くない」
アリスはジョンの手を握り、微笑んだ。
二人はピラミッドの奥へと進んだ。
しばらく歩いていると、壁に奇妙な文字が刻まれているのを見つけた。
「これは何だろう? エジプト文字じゃないわね」
「本当だ。どこかで見たことがあるような気がするけど」
二人は文字を無視して先に進んだ。
やがて、彼らは巨大な扉に到達した。
「これが王室墓ね」
と、アリスは言った。
「ここに埋葬されているのは誰だろう?」
二人は力を合わせて扉を開けた。
すると、目に飛び込んできたのは驚くべき光景だった。
扉の向こうには広々とした空間が広がっており、中央には金色に輝く棺が置かれていた。
棺の周りには宝石や貴金属や美術品が山積みになっており、まるで夢のようだった。
「信じられない」
と、アリスは息を呑んだ。
「こんなに豪華な墓を見たことがない」
「これが本物だったら、僕達は一生遊んで暮らせるよ」
と、ジョンは言った。
「本物だよ」
と、アリスは言った。
「でも、これは私達のものじゃない。これは歴史の宝物。世界に公開しないと」
「そうだね。でも、ちょっとだけ触ってみてもいいかな?」
「ダメよ」
と、アリスは言った。
「触ったら呪われるかもしれない」
「冗談だよ」
ジョンは笑った。
「さあ、棺を開けてみよう」
二人は棺に近づき、蓋を持ち上げた。すると、中から現れたのは、エイリアンだった。
エイリアンは緑色の肌と大きな黒い目を持ち、人間に似ていたが、頭には触手が生えていた。エイリアンは二人を見て、驚いたように鳴いた。
「な、なに、これは!?」
と、アリスは叫んだ。
「エイリアンだよ」
と、ジョンは言った。
「あの文字はエイリアンの文字だったんだ」
「どういうこと?」
「実はね、僕もエイリアンなんだ」
ジョンは顔を変形させて、エイリアンの姿になった。彼も緑色の肌と大きな黒い目を持ち、頭には触手が生えていた。
「僕達は地球に来てから長い間、ピラミッドを建ててきたんだ」
と、ジョンは言った。
「これらのピラミッドは私達の宇宙船なんだ。でも、何千年も前に事故が起きて、このピラミッドが故障してしまった。私達の王様もこの中で眠っていたんだ。彼を起こすために来たんだ」
「そんな、そんなこと・・・」
「本当のことだよ」
と、ジョンは言った。
「君に恋をしたのも本当だよ。でも、今は帰らなくちゃ。さようなら、アリス」
ジョンは棺の中に入り、エイリアンの王様と一緒になった。
棺の蓋が閉まり、ピラミッドが光り始めた。
「待って!」
アリスは叫んだ。
「私も一緒に行きたい!」
しかし、もう遅かった。
ピラミッドは空へと飛び立ち、姿を消した。
アリスは一人残された。彼女は涙を流しながら空を見上げた。
「ジョン。私も愛してるわ」
アリスは呟いた。
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